一日一白骸運動 | ナノ


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「ペットが飼いたい」


「はぁ」


「飼いたくない?」


「あんまり興味はないですかね。うちには大きな犬がいますし」


「え……?どこどこ?」


「ああ、シマウマなら飼ってもいいですけどねぇ」


「ねぇ大きな犬ってなあに」


「貴方のことに決まっているでしょう、暑いからこっち寄らないで下さい」


「え?僕骸クンの犬なの??」


「餌をやると尻尾振って寄ってくるところとか、怒られたらしゅんとして耳を垂らしてるところとか、そっくりですよね」


「尻尾も犬耳もないよ……?で、でも骸クンの犬ならいいかも……」


「…………やっぱりさっきのは撤回で」


「えっなんで!ご主人様どうして!」


「こんな気持ち悪い犬飼いたくありません」


「…………」


「それよりシマウマ飼いましょうよ!シマウマ可愛いですって」


「ええぇ……?骸クンシマウマ気に入ってたの?」


「一緒にライオンも飼いたいところですけど」


「1LDSKなのに無理言わないの」


「んー、せめて庭があればいいんですかね?」


「三階だしねぇココ」


「ていうか、そもそもうちのマンションってペット大丈夫なんですか?」


「大家さんがよく犬散歩させてるじゃん、いいんじゃないの?」


「あぁ、確かに……」


「ねぇ、シマウマ以外で現実味があるペットだったらなに飼いたい?」


「そうですねぇ……白蘭は?」


「熱帯魚!」


「ほう、魚とは……意外ですね」


「そう?僕、海好きだから、熱帯魚とか飼ってみたいなーってずっと思ってて」


「ふむ……確かにいいかもしれませんね、熱帯魚」


「でしょ!?」


「でも色んな種類ありますけど、具体的には」


「あのねあのね!今日の新聞の広告にね!新しくできたホームセンターのチラシ入っててね!」


「……貴方、最初からこの展開に持っていくつもりでしたね?」


「あ、ばれちゃった?まぁとりあえず見てみてよ」


「ああ、割と安いんですね……」


「んっと僕はねー、これとこれが」


「よし、見に行きますか」


「え」


「すぐ近くじゃないですか、これ」


「え、そうだけど、いいの?」


「計画を立てて僕を誘うほど、飼いたかったのでしょう?」


「……うん!いこいこ!」


「じゃあ用意してきますよ」


「骸クン、ありがとうだいすき!」


「はいはい、準備なさい」


「はーい!」




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