押し殺してた深い傷跡も

「俺は、俺はずっと最強になりたかった。ロケット団を壊滅させたり、グリーンに勝ったり…自分より強かった相手に勝つことがなにより嬉しかった。」

レッドくんは下をうつむきながら話している。正直、その姿をみてるのもつらい…

「俺はどんどんバトルしていくうちに勝つことしか考えられなくなっていった…だから俺は強いやつと戦いたくてシロガネ山にずっといた。でも、結局俺は誰かに止めてほしかったんだ。"原点にして頂点"なんかじゃない、"ただの一人のトレーナー"としてバトルしたかっただけだったんだ。」

そんな思いをしてるなんて知らなかった。ずっとレッドくんは一人だったんだ。そして自分を止められるトレーナーを待っていたんだ…

その途端私は気持ちが抑えきれなくなって、レッドくんに抱きついた。

『ごめんね…。ごめんね。もっと早く気づいてあげられたらよかった。そしたらレッドくんはこんな思いしなくてよかったよね…。』

私は泣いた。無力だった自分に。気づいてあげられなかった自分に。

  




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