いとこ以上、
なあ、いとこって結婚できるらしいぞ
◇お風呂

頭を洗う正義を、ちらちら盗み見る。

さっきのお返しだ!
と心の中で言い訳しながらも、じろじろ見つめる程の勇気はない。

勇気の癖に。
あ、ちょっと、嫌な事を思い出した。

思い切り鼻にしわを寄せて、また正義を見る。


真っ黒に日焼けした正義は、格好良い。
背はオレとそんなに変わらないけど、何となく大きく見える。
細いけど、オレの体とは、何となく形が違う気がする。
同い年なのに、大人っぽい。

うちのクラスで一番もてる裕也君より、絶対に格好良い、と思う。


いつもはお盆の時にパパとママと一晩泊まるだけのばあちゃんち。
正義ともそんなに遊んだことがなった。

でも、今年は休みじゅう、ばあちゃんちにいる。
さっき川で言われた言葉に、顔が笑顔になっていく。
いっぱい、いっぱい正義と遊べるんだ。
わくわくして堪らない。
正義といっぱい一緒にいられる。
ああ、どきどきする。

「……勇気?」

「あ……」

「どうした? のぼせた?」

正義は優しいよね。
ちょっと恥ずかしそうにしながら、優しい言葉をくれる。

「ううん、オレ体洗う」

「うん、交代」

差し出された手に、パンと手のひらを合わせてタッチした。
うん、正義はプロレスも強そうだ。


今度は湯船から正義がオレを見ている。

あれ、見られてるの、結構わかるかもしれない。
さっきオレが正義を見てたのバレてたかな……。
どうしよう。
恥ずかしいかも。

「なあ」

「うん?」

「明日も沢行く?」

「! うん!」

「魚、とるの教えてやるよ」

「!! うん!!」

うれしい!
うれしい!

明日が楽しみだ。



 ◇  ◇



にっこりと笑う勇気の白い顔に、オレも嬉しくなる。

クラスの煩い女子よりか、よっぽど可愛いと思う。
男なんだよな、とチラリと見た下半身にはオレと同じもんがちゃんと付いてた。

……まあ、そうだよな。

見慣れたもんのはずなのに、ちょっとだけ顔が熱くなった。


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