「
いとこ以上、」
それなら、両思いだろ?
◇真実にい
真実(まこと)にいは、格好良い。
正義ほど真っ黒じゃないけどよく日に焼けていて、身長も高くて、ぐって力を入れた時の腕の筋肉とか、凄い。
大人の男の人。
さり気なく優しいし、格好良いし、きっとモテモテなんだろうな。
そう言ったら、そうだったらいいんだけど、全然モテなくて困ってるんだ……なんて真面目な顔して言って、その後にニヤリって笑ったから、きっと冗談なんだろう。
やっぱりモテるんだ。
そうだよね。
すごいな。
記憶にある真実にいは、初めから大人だった。
一人っ子のオレにとっては、憧れるけど、近寄り方が分からなくて、直接話した事なんて殆どなかった。
だからこうして普通に話してるのが変な感じ。
「去年も来てたんだって?」
「うん」
「随分と仲良くなったな、正義と」
「そう、かな」
仲良さそうに見えるのかな。
ふふ。
それは、嬉しい。
ほんわり暖かくなった胸がくすぐったい。
「……ふうん」
「どうかしたの?」
「いや。……正義がね、睨んでんの。アイツ俺の事キライだからなぁ」
「え!? そうなの?」
笑いながらそう言う真実にいの顔をまじまじと見つめてしまった。
うわ。
……やっぱり、恥ずかしい。
熱くなった顔を隠すために下を向く。
だって……。
真実にいは正義とそっくりだから……。
男らしい眉毛も、優しい目も。
耳の形も。
襟足のラインも。
それから、……唇の形も。
似てるから。
将来、正義もこんなに格好良くなるのかなって思ったら、ドキドキしてきて。
恥ずかしい。
ぎゅっと目を閉じると、まぶたにもドキドキが伝わっていて、せっかく落ち着こうと思って閉じたのにあんまり意味がないみたい。
「うん。今日で更に嫌われたな」
「?」
「独占欲。ガキだな」
真実にいの言っている事が分からなくて首をかしげたら、頭をポンポンってされた。
「仲良くな」
……正義と、かな?
「うん」
勿論だよ。
だって、正義の事が好きだから。
ずっと仲良しでいるんだから。
◇ ◇
兄貴と目があって、慌ててそらした。
あぶねー。
ずっと見てたの……バレてないよな?
やっぱりムカつく。
勇気に触ってんじゃねえよ……!
変態兄貴!