死神の帰る場所
企画
若返らせてみよう 10歳×23歳

とあるお方(お名前お出ししていいのかしら・・・?)に頂いた妙薬【若返りの薬】。
さあ、ターゲットは君たちだ!

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治仁 23歳−13
藤本 36歳−13
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ほら、ほら、とドヤ顔でTシャツの裾を捲って腹を見せる青年と、無表情でそれを見つめる線の細い少年。
ぽこぽこと六つに割れた自らの腹筋を、青年の手がペチンと叩いた。

「……」

「ね?」

少年がこくりと頷くと、青年が嬉しそうに笑う。

この笑顔は少しも変わらないんだな、と少年は少し可笑しく思った。
ふわりと頭の上に青年の手が触れる。
そっと優しい、その馴染みのない感触が不思議だ。
不快ではないのだけれど、居心地が悪い。

「治仁くんの方が小さいなんて、不思議だなあ」

「高、……校で……伸びたから」

口を開いた瞬間にどもって片眉を上げた少年に、青年が丸い目をくるりと動かした。
少年特有の少しハスキーな高い声音は妙に甘く響いて艶っぽい。
依然として無表情ではあるけれど、何処か憮然とした雰囲気を纏った少年が、晒されたままの青年の腹に手を伸ばした。

「かたい」

「っん、この頃はね? 結構真面目にジムに通ったりしてたんだよね」

「そう」

少年の細い指が腱のくぼみをそっと辿ると、青年の喉仏が上下した。
それには気付かなかった様子で、少年は尚もその冷たい指先を熱い肌に這わせる。

「治仁くん?」

「うん」

「……どうかした?」

「うらやましい、と思って」

筋肉付きにくいから、と言う少年の体はほっそりと華奢で、顔色の足りない整った顔立ちと相まって、不謹慎ながらもサナトリウムの窓辺が似合うだろうなあ、と青年は思った。
薄幸で、病弱そうな見た目。
この頃から、溌剌とした若さとは無縁だったらしい。

「っ!?」

ぴちゃり、と突然冷たいものが腹に触れて、青年の体が硬直した。
屈んだ少年の後頭部が見える。
何をしているんだろう、と思った。

次の瞬間、声を出す暇もなく、それはスローモーションのように、小柄な少年が、青年の体を横たわらせる。
青年自身、自分の体に何が起こったのか理解できずに、呆然と少年を見上げた。

「技術は磨けても、体格のハンデは埋まらない」

聞いてもいない問いかけに応えながら、少年が青年の口をふさぐ。
小さな口から、それに見合った薄い舌が現れて、少し厚い青年の唇を割いた。




……御感想は?

「『今』以上に容赦なかった。っていうか、詐欺だ! 詐欺だよ! 小学生だよね? え? 10歳だよね? それなのに……! 怖い。小学生怖い。」

「若かった」


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