童話体験
おやゆび姫
鼠F

やっと辿り着いたベッドの上。

雷は、汗ばみ、紅潮した肢体をひんやりとしたシーツに沈めた。
解放を望む中心は痛いほど張りつめている。
まとわりつく空気の動きすら感じられる気がした。


呑気なノックと共にマウスがひょこひょこ近付いてくる。
雷のアナルから出ている器具の先端を確認して微笑んだ。

「さあ、今度は抜いてみようね」

雷の変調には気づかなかったようだと安堵する間もない。
サラリと髪の毛を弄ばれて、ふるりと震えた。
思わず甘い吐息が漏れ出す。

「まずは一つだけ。引っ張り出してごらん」

雷は肯くと四つん這いになり、大きく足を開いた。
頬と両肩をシーツに押し付け、両手を下半身に伸ばす。
あられもない格好だが、この体勢が一番負担が少ない。

──なんだその経験値。

頭の片隅で自分に失笑してしまう。

アナルから垂れ下がる紐の先端に括られたリングを掴んだ。
息を大きく吸う。
今からの衝撃を思って萎縮する心を落ち着かせ、頭を空っぽにした。

ゆっくりと息を吐き出しながら、リングをぐっと引く。
アナルが内側から押し開かれる感覚に下半身が痺れる。

「……あ、あ、ァ、……あぁ……グ、はっ」

内壁が捲れるような感覚がして、器具の一分、球体が一つ外に出た。
一息付く間もなく直ぐにアナルに力を入れる。
そうしないと次の球体が出てしまいそうだった。

「あぁっ、うぐ……ん、あ、あ、ぁア」

急に力を入れた所為で内壁が器具を締め付けた。
引き出した分だけ位置の変わった器具が敏感な部分をかすめている。

「あぁっ、だめ、イっちゃ……」

蠢く内壁に絡みとられた器具が位置を変える。
感じるポイントに当たる度に放出してしまいそうな高ぶりを、雷は両手で押さえ込んで何とか耐える。

「あっあっあぁぁーっ、……まっすぅー……んンう……」

口の端から垂れた涎がシーツにシミを広げていく。
いらやしく腰が揺れてスプリングがギシギシ音を立てている。

「……ま、す……ああっ、はぐっ」

「ほら、何て言えば良いのか、分かるね?」

マウスの優しい指が頬を伝う涙を掬った。

「あぁん、ん、きもちイイからあっ!あ、あっ、おねがいっ、クはっ……イかせてくださ、い……」

──マウス。

「もーるぅっ!」
ズルリと一気に引き抜かれた器具が鈍い音を立ててシーツの上に転がった。
雷の指の間から、ぱたぱたと白い雫がシーツにシミを作る。

いつまでこんなことが続くのか……。
自分がどうなってしまうのか。

何も考えたくなかった。


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