3.待機中
 

「…まぁ、こんな感じかな」

「ありがとう、リンク!」


あれからリンクに色々教えてもらった

スカイロフトは空に浮かぶ島で、空にはスカイロフト以外にもいくつか島があるという事

リンクは騎士になる為騎士学校に在籍していて、ゼルダもそこの生徒だという事

2人や、他の生徒達と先生達の大半は騎士学校の寄宿舎に自分の部屋がある

そして騎士学校から少し歩いた所にあるショップモールは色んなお店があっていつも賑やかである事

だけど夜に魔物が出るようになってからは日が沈む頃にはお店の人も皆自分の家に帰るようになったみたい

それでレムリーという可愛い動物がいるみたいだけど…魔物が出て来だした頃から、夜になると凶暴化してしまうようになったとか…

あと少し気になって空の下…リンクは雲の下って言ってたっけ?

その事について聞いてみたら……

スカイロフトの人たちはロフトバードっていう大きな鳥に乗って島と島を行き来する

でも下には厚い雲があって、その雲ロフトバードでも抜けることが出来ず誰も調べたことがない

その為雲の下は虚無の世界だと言われているらしい


「2人共、お待たせ!」


丁度良いタイミングでゼルダが戻ってきた

リンクが椅子から立ち上がってゼルダに譲ろうとすると彼女はふるふると首を横に振る


「ありがとう。でもこれからすぐに用事があるから椅子はいいの。ななし、歩けそう?」

「ん?……うん、大丈夫!」

「そう、よかった!」


ベッドから降りて足を少し動かしてみる

少し不安そうな顔をしていたゼルダだったけど大丈夫と言うと笑顔になった

なんていうんだろう…例えるなら、花のような笑顔って感じかな?


「それでね…リンクは私と一緒に来てくれる?ななしは…そうね、30分後くらいに食堂に来て欲しいの。食堂は部屋を出たら右側の階段を降りて、まっすぐ行った突き当りの左側にあるわ」

「うん、わかった」

「ななし、また後でね!」


そしてゼルダとリンクは部屋を出ていった

約30分…何をして時間を潰そう?

…とりあえず自分がさっきまで寝ていたベッドを綺麗に整えようかな



……



「…よし、できた!」


ベッドを整えた為、ベッドには座らず椅子に腰掛ける

まだまだ時間が余っているなぁ…

…あ、そうだ!何かポケットに入ってないかな…っと

私はさっき座ったばっかりだけど立ち上がってポケットを探ることにした

まず左ポケットは100円玉1枚と50円玉1枚…ここじゃ使えないから意味が無いね

続いて右ポケット……何故かゼムクリップ、何故…

椅子に座って今度は上着の左ポケット…だけど何も入ってない

最後に上着の右ポケット…、……!?


「こ、この感触…この形は…!」


高鳴る胸を抑えながらそれをポケットから取り出した

それは……スマートフォン、略してスマホ!!

あまりの嬉しさにそれを掲げて、ごまだr…うん、やめよう

でもこれで残り数十分の間の暇つぶしができるっ

あ、リンクやゼルダ達と写真撮りたいなぁ

電波は立ってるかな?流石に圏外かな?

まぁとりあえず電波の確認を…って、あれ?

画面が明るくならないや

電源が切れてるのかな?じゃあ電源オン!…あれれ?


「そんな…」


電 源 が 入 ら な い

さっきのはぬか喜びだったなんて…

はぁ…とりあえずポケットの中に仕舞っておこう



……



…あ、そうだ

この部屋を出たら他の人に会う事になるだろうし…

そうなったら、ロフトバードがいない私はどうやってここに来たのか聞かれるかもしれない

ゼルダとリンクだってさっきはあまり聞いてこなかったけど、また聞かれるかも…


「うーん…どうしようかなぁ…」


カミングアウトできたらそれが一番良いけど…

そんなの頭がどうかしちゃった人だと思われそう

実は私飛べるんです、なんてのも…

飛べるわけないし、見せてと言われたら困るし

あぁ、本当にどうしよう……!

腕を組みながら何気なく顔を上に向けると…何あれ、穴?


「…って、そろそろ30分かな」

私は立ち上がってゼルダの部屋を出た

えっと食堂は確か…階段を降りて突き当りを左側だったっけ?

…あぁ、あそこだ!

なんか賑やかだし、いい匂いもする…

ゼルダやリンク以外の人の声がしていて少し緊張しながらも食堂に入る

するとゼルダとリンクが私に気づいて、他の人達に目配せしたかと思うと…


『スカイロフトへようこそ!!』




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