一人ぼっちセナ 昼休み、セナは自分の机に凭れ、ぼんやりとクラスメイト達を眺めていた。飲み掛けのパックジュースにささるストローを何ともなしに噛む。だいたいの人が昼食を食べ終え、仲間と喋るのに夢中だった。 いつものこの時間なら別のクラスからモン太と小結が遊びに来て、そこに三兄弟が時折交ざり大いにはしゃぐのだが今日はセナの元に来客は無い。 急に一人に戻ってしまった虚しさと掛け離れた周りの喧騒。何もやる気が起きないセナはただ時が過ぎるのを待つだけだった。 黒木と戸叶は部活まで授業をサボるそうで校舎にはいない。モン太は多分別の友達といるのだろう。小結は栗田先輩のとこ。いつものメンバーの所在を心の中で確認し続ける。 (じゃあ十文字君は?) 目だけ動かし教室を見回すが十文字の姿は無かった。昼休みが始まった直後彼は購買に行くとセナに言い残したまま帰ってきて無いのだ。先に弁当を食べ終え、残り少なくなってしまったジュースと昼休みをもてあます。 ---------- そして私もこの話をもてあます。 2012/04/13 02:46 prev|top|next |