異変
「…荷物オーケー。あと忘れ物は…」
合宿当日。
ユキは自室で荷物確認をし、時計を見た。
「!、もうこんな時間!遅れちゃう!!」
真田のお説教は嫌なので、ユキは慌てて鞄を持ち家を出た。
「ん?」
玄関から出てすぐユキはある物に気づいた。
玄関のドアに貼り付けてある紙。
そこには、こう書かれていた。
"
合宿には行くな"
「何…コレ。またなの?一体誰が…」
ユキはため息をつき紙をはがした。
いつものことだ。
ここ最近毎日のように、このような紙が貼ってある。
時には玄関のドアに、時にはポストの中に。
どれもみな、"今すぐマネージャーを辞めろ""テニス部と関わるな"などという嫌がらせめいた文章。
おそらくマネージャーをやっている自分に嫉妬した、レギュラー達のファンの仕業だろうと思っていた。
あまりに長くしつこく続くので、レギュラーであり同じクラスで仲が良い赤也に相談しようかと思ったが止めた。
紙を入れられる以外は、特に何もないし。
そんなことで彼の邪魔をしたくない。
それに…気の短い赤也のことだ。
こんなことを知ったらファンの子達を片っ端から締め上げかねない。
「いけない!早く行かなきゃ!」
ユキは後で捨てるかと紙をポケットにつっこみ、学校へと向かった。
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