「乱太郎、きり丸、しんべヱ。食堂のお姉さんとお知り合いなの?」
〇とかシャープ模様(これなんて言ったっけ?)の水色坊主たちが、わらわらとわたし達の方にやってきた。
アッこの子知ってるよ! すごくしっかりした子だよね、学級委員長の! でも気付いてももう何も言わないことにした。何度も説明するのも面倒臭いからね。
土井先生と山田先生、一年は組の先生たちがこちらに近づいてきた。 そういやまだ先生は土井先生にしか挨拶してなかったな、山田先生……うんアニメと何ら変わらん。凛々しい眉とお髭だわ。
「あの、山田先生、ふつつか者ですがこれからよろしくお願いします!」 「はいはい、あなたの事は学園長と土井先生から聞いてますよ」
どうやら土井先生だけでなく、山田先生もわたしの面倒を中心的に任されていたらしい。いま知った。申し訳ないと同時に、みんなのお父さんってイメージの強い山田先生も近くにいてくれるというのは、わたしをとても安心させた。
「おねーさん、なめくじさんは好きですかあ〜?」 「喜三太なめくじ壺開いてるよ、しめて!」 「何きり丸顔赤くしてんだよ〜」 「うっせ団蔵! そんなんじゃねえやい!」 「お姉さんどうして乱太郎たちのこと知ってるの?」 「町で知り合ったとか。あ、初めまして、僕は黒木庄左ヱ門といいます」 「庄ちゃんったら冷静ね」
雪崩のように飛び込む一年は組のみんなの言葉に、そんないっぺんに聞き取れないと返答に困っていると、ぱんぱんっと手を打つ乾いた音がして、土井先生が高らかに声を上げる。
「わかった、お前たち少し落ち着きなさい。じゃあ今日はハルさんと親睦を深めよう」
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