「ここが君の部屋だ。」
「おお……!」


こんな純和風な部屋、久々に見たな〜。うちのおばあちゃん家も相当古いけど、こっちは古さを感じさせない、きれいな和だ。
箪笥と、机と、なんか変な棒(あとから上に蝋燭を立てて灯籠として使うものだと教えてもらった)仕切が一つに、布団が一式。


「もし不備があるようなら、私に言ってくれ。言いづらい内容なら山本先生に。」
「あ……ありがとうございます本当に!」


こんな見ず知らずの奴にここまでちゃんとした住居を用意してくれるとは、忍術学園ハンパないわ。なんて有り難いんだろう。


「はは、君は私に頭を下げてばかりだな。じゃあ少しみんなと時間はずれたが、夕食を食べようか。」
「あっはい!」
「恐らく明日から君が働く場所になるから、よく見ておくといい。迷子にならないように!」
「はい!」


ひゃー土井先生、さすが先生って称号されてるだけあるな。声を掛けられたら、わたしも自然と背筋が伸びるからね。
部屋から食堂に行くルートを暗記しようと、先生の後ろを着いていきつつキョロキョロ見渡す。
すると前から複数の話し声が聞こえてきた。






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