すごく寒い。 冬みたいなそれじゃなくて、なんていうのかな、10月とかの海にダイブしてきてそのままの状態でいるみたいな。身体中がひたひた冷たい。
そして何より、目茶苦茶お腹が空いて仕方ない。 いやもう空腹感を持て余すっていうレベルじゃない、食べれるものがあったら何でも下さいというところまできている!!
――さ……さん!
誰ですか、お腹が空いてしょうがないわたしの耳元で叫んでいるのは。何でもいいです、飯を下さあああい!!
――さん、ハルさん!!
あ、名前呼ばれてる。起きないと……ってわたしまだ食堂の仕事してないぞ!? 寝坊だ早く起きないと駄目だこれ!!
「おばちゃんごめんなさい今起きましたあああ…………あれ、」
がばっと勢いで上体を起こせば、周りを囲む一年は組の子たち。 なんでだ? とクエスチョンマーク浮かべるより先に、うわあああんハルさあああん!! となだれ込むよう一年軍団。わたしにくっつくように、布団の上に乗っかったりサイドから抱き着いたりしてくる。なんかよくわからんが、わたしもてもて?
「えっと、あー、どうした皆、怖い事でもあったのかい……?」
肩口にえぐえぐと顔を擦り付ける乱太郎の背中をぽんぽん触り、とりあえず全員の頭を撫でてみる。まったく訳わからんけど。
ふと周りを見れば、あれ、善法寺くんに潮江さんに土井先生がいらっしゃるよ? しかも全員もれなく変な顔してる。わたしの顔になんかついてんのかな、ていうか寝起きの顔は普通にアウトだった!!
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