――金吾目線――



「あれ、早いね三人とも」


僕はいつも剣の太刀を身体に覚えさせるために朝練をしているのだけど、今日は珍しく乱太郎きり丸しんべヱのいつもの三人組が、神妙な顔つきをしてどこかに行くのを見掛けた。


「あ、金吾、おはよう」
「乱太郎、みんな怖い顔してるけど、どうしたの?」
「それが……」


きり丸が話しにくそうに眉を歪めて、ハルさんが倒れちゃったんだと言った。
えっ、僕はそう返すしかできなくて。
だってこの前まであんなに元気に僕たちと遊んでくれたじゃないか。……確かに、変に優しくて、目つきがとろんとしてて、何より痩せてしまっていたけど。ああそっか。


「ご飯あんまり食べなかったからじゃない……?」
「そうだといいけど」


違うと思う、本当はきり丸、そう続けたかったんだろう。何と無くわかっちゃったけど。
ねえ、もしかして今からお見舞いに行くの? 尋ねればこくりと頷く三人組。


「じゃあ、は組のみんなでお見舞いに行こうよ! 喜三太や虎若や兵太夫、みんなみんなこれを知ったら心配でお見舞いに来たがるよ」
「うーん、そうだね、みんなで行こうか!」
「そうだよねえ、みんなハルさんのこと大好きだもんねえ」
「……おう、じゃあ出直すか」


きり丸の間が一瞬気になったけど、じゃあは組呼んでくるよ! と言って僕は三人から離れた。




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