青そら | ナノ
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「#エロ」のBL小説を読む
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どれくらい時間が経っただろうか。暫くすると砂の中から何かが飛び出てきた。
濛々と砂埃が立ち込めるが、やがてそれは2人の人間だという事が分かる。

「坂本さんだー!」
「坂本さんが生きちょったぞーォ!」

乗組員達が喜びの声を上げて船から飛び降り、二人の下へ駆け寄っていく。
2人とも怪我はないようで、坂本は相変わらずカラカラと笑っていた。

「無茶な事を…自分も砂蟲に引きずり込まれるとこだったぜお」
「ホントですね。何考えてんでしょ、あの人達」
「何を考えてるってゆーより、何も考えてないネ」
「…あの人達らしいですね」

口々に文句を言いながらも、2人の無事の様子に安堵の溜め息を漏らした。


   *  *


「着いたぜお。今回はまっこと迷惑掛けた」
「そんな謝らんとって下さいよ。私、みんなに会えてよかったって思ってるんですから」
「ほがか?嬉しい事言うてくれるの〜恭ちゃんはー!」
「つーか毛玉、てめーも謝れやコノヤロー」
「そうじゃ恭ちゃん!ワシゃこれからお良ちゃんに会いに行こうと思っちょるんじゃが、おんしも一緒に行かんか?」
「ええーっ!?何で恭ちゃんは誘って私は誘わないアルカ!レディーはもう一人いるネ。私も連れてくヨロシ!」
「そういう問題じゃないだろ神楽ちゃん!坂本さんも何フツーに女性をキャバクラに誘ってるんですか!?」
「よかよか〜人は多いほうが楽しいきに〜ああっ!ひょっとしてェ〜こげな可愛らしかお嬢さんばワシに盗られるんが嫌が?」
「そういう問題でもねーよ。おめーみたいなんと一緒にいさせるのが嫌だってんだよ」
「おーおー、金時がヤキモチがか?心配せんでもおまんらも連れてくきに〜」
「ちげーよ!おめーといたらバカと毛玉がうつるからヤなんだよ。大体俺は“金時”じゃねーっつってんだろーが!」

「別にいいじゃん、銀ちゃん元からバカで毛玉だし。しかも毛玉の奢りアルヨ?」
「酷い神楽ちゃん!銀サン毛玉じゃないよ!ギリギリくせっ毛のラインにいる!!」
「…銀さん、自分でそれ言ってて悲しくないですか…?」
「………」
「…あはは、大丈夫ですよ銀時さん。坂本さんもこんな平行線の小娘なんかに欲情しませんって」
「…恭さん、自分でそれ言ってて悲しくないですか…?」
「………」

別にええもん、今更やもん、どーせ私はまな板やもん……アレ、自分で言うたら悲しくなってきた。
とりあえず今の私はキャバクラとか平行線とかはどーでもええ、ただ純粋にご飯が食べたい。
だって最近まともに食べれてへんし。神楽と定春がヤバい位に食べるから更に自分の分減るし。
女らしくないけど今は質より量や。銀さんと坂本さんがギャーギャー騒いでたけど、私と神楽と新八と定春はキャバクラで黙々と安いご飯にありついた。


あとなんか、いっぱい食べてうとうとし始めた頃、坂本さんと心配してついて来てくれた陸奥さんが、「変わった奴じゃ」とか「面白かー」とか話してる気がした。
けど意識が遠のいてる私には、それが一体誰の事でどの点について言っているかなんて分かりもせんかった。



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陸奥さんの名前が出てこない謎がやっと解決しましたマジでかあああ。
坂本竜馬は本当にすごい人だと思います。
是非小説の『竜馬がゆく』もしくはNHK大河『龍馬伝』見てみて下さい。

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