空白の部屋




「ヴィンセント」

「ヴィンセント?」

「ヴィ〜ンセントぉ?」

「ヴィ、ン、セ、ン、ト」

「ヴィンセント…」

「ヴィンセント…!!」

「………ヴィン……」



その背中に何度声をかけただろう

怖いの恐いの

置いてイカレソウで

だってアナタはアタシを見ない

決して振り返らない

いつも後ろ手でドアを閉めてしまうから

気がつくとまた扉を少しだけ開けて

出て行こうとするから

目を離した瞬間

アナタが消えていそうでコワいの

ほら…また

だからアナタが出て扉が閉まるまでの隙間

…空白の懺悔。

アタシはアタシを入れよう

いつかアナタの後ろ手を掴むために



《綺麗な部屋でも貴方には霞むの》




きっと本編の彼ら

- 15 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -