『歴史姫』
2010/05/26 21:46
彼女達は涙していた。
「ああ姫様…」
女達は涙を隠そうともせず、屈強な男達も肩を震わせ声もなくむせび泣いている。
誰もがこれから起こることを理解し、別れを惜しんでいた。
ただひとり、渦中の姫君を除いては。
「みんな!!よく聞いて…!!」
毅然と顔を上げ、彼等の悲しみを受け止める少女。
その姿はまだ10代の少女とは思えないほど静かで、全てを悟っている老婆のように老成して見えた。
「あたしひとりがウータイではないんだ」
「裏切り者の謗りはあたしが受ける、
…だけど」
「背を向けるあたしを憎んでくれていい」
「国とはなんだ…!!」
「王とはなんだ…!!」
「みんな間違えないで」
「王家が国ではないんだ」
「では土地か?水神の加護か?」
「否、断じてちがう!!」
「わが国は皆のものだ!!」
「皆が朝起きたとき」
「昼を謳歌し、励むとき」
「夜眠るときに問うて欲しい」
「そのときにこそ」
「我らが月は微笑んでいるか!?」
「神は問う。汝は誰だ。我らは誰か?!」
「ウータイの民だと許せるか?」
「己が血を愛せるか?」
「例え国が壊れても、そのとき我らがウータイは存続する」
「ウータイは如何なる侵略にも屈しない!!」
うおおおおおおおぉ
「だからみんな…!!命を粗末にしないで!!」
「みんながウータイなんだから」
声が震え、俯いた少女に始めは熱くなっていた民衆も、我にかえり静かになった。
「みんなが知ってるように」
「ウータイの象徴は水」
「水と調和する大樹にある」
「歴史の幹」「王家の花」「血筋の枝」
「そしてみんながひとつひとつの葉なんだよ」
「大樹の花は…」
「皆の生きる糧になるなら、あたしは喜んで贄になるから…!!」
「…もう花は散らないから」
「大丈夫だから」
「あたしは大丈夫だから」
「だから…どうかみんなを守って」
「民を…枝葉一枚たりとも散らすなかれ!!」
「「「「――…散らすなかれ!!!」」」」
†ウータイ滅亡まであと90分†
相互のエメちゃん宅
大好きな歴史姫を読み返して
…その、突発的に。
昔を捏造してみました
エメちゃんごめん(笑)
最近はなかなかゲームはもちろん
妄想や想像さえする時間がありません
…なんか更新したいのに、難しそうです
コメント
2010/05/29 10:56 シキ [編集]
あわわわ…!!おかえりエメちゃん!!
こっちこそかっこいいなんて恐れ多い!!
しかしこれで更新が…♪クフフフ(笑)
シキ、歴史姫はすきっ、だいすき!!
なんか忙しくて妄想さえままならない
つまりはリハビリさえできてない文章
…そんなのでサイト管理かぁーなんて
考えてたけど、もう少し頑張ってみるよ!!グダグダ日記にコメントありがとう!!
2010/05/27 21:54 エメラルド [編集]
嬉しいです!!
まさかの『トレジャーと歴史の姫』の昔を書いてくださるなんて・・・!!(嬉)
私にはこんなカッコイイ昔は書けない・・・(笑)
しかし、『トレジャーと歴史の姫』が『大好き』だなんて・・・勿体無い言葉です!!そして感無量です!
今はまだグダグダとしていますが、絶対にトレジャーに行かせるので楽しみにしてて下さい!
プライベートの方は忙しそうですが、頑張って下さい。
私も疲れと眠気と気だるさの三拍子が揃ってややグダグダなものしか書けていませんが、お互いに頑張りましょう!
それでは、長々と失礼しました。
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