ヒミツを見ちゃったアルヴィン君


「ん、なんだこれ?何々……ナマエの日記か」
「アルヴィーン!僕たち出かけるからねー!」
「あーはいはい。ったく、いいねぇ若いもんは元気がよくて……で、何々……ふんふん、なるほど……あいつこんなこと考えてたのかよ。人は見た目によらねぇなぁ」
「アルヴィンさん!」
「ぎくっ!」
「何してるんですか人の荷物を勝手にあさって!」
「いや、ナマエ。これには深ーい事情があってな……」
「どうせ暇だったからためしに見てみたとかそういうのでしょう?いい加減にそのふらふらした性格を何とかしてください!」
「いや、俺だってそんなにふらふらしてねえよ!?」
「十分ふらふらしてます!全く、彼女である私の身にもなって下さいよね」
「……俺がふらふらしてるとお前になんか迷惑かかる?」
「っつ……最低です!アルヴィンさんなんか大っ嫌いです!」
「おい、ちょっと待てってば!」
「なんですか!離してください!」
「待てってば。頼むから待てって」
「……分かりました。待ちますから用があるならさっさと済ましてください」
「悪かったよ……その、ふらふらしてるのに関してはまあ、できるだけ直すから……だからさ、嫌わないでくれ」
「……アルヴィンさん?」
「お前に嫌われたら、俺、また居場所なくなっちまうじゃねえか」
「……はぁ。その程度のことでそんなに落ち込むなんて……あなた本当に子どもですね」
「あーそうだよ子どもだよ。子どもで悪いかちくしょう……」
「悪……くないかもしれませんね。世話のしがいがあって」
「なんだよ世話って。俺もう26だぞ」
「いいじゃないですか。だって子どもですし」
「彼女に面倒みられる俺ってどうなんだ」
「それに甘んじてくれるなら、嫌いません」
「甘んじるから嫌わないでくれ」
「即答ですか。ジュードさんやエリーゼさんより子どもですね」
「さすがにエリーゼ姫よりは大人だしぃ」
「今日からあなたなんか呼び捨てで十分ですね。よく考えたら今までさんを付けてたこと自体間違いだったんですかね」
「なんだよそれ」
「もういいですから、そろそろ手を離してください」
「ああ、悪い悪い」
「さあ、私たちも出かけましょう。あと、最低って言葉は撤回してあげます」
「よし、行きますか」
「どこに行きましょうかね……って、アルヴィン?私を見て何ニヤニヤしてるんですか?」
「いいや別に」
「なんか怪しいですね」
「別に何もねえよ」
「……アルヴィン。手に持ってるそれ、なんですか?」
「ああ、これは俺の愛読書」
「何ちゃっかり嘘ついてるんですか!それ私の日記でしょう!」
「あ、やっぱばれるか」
「ばれるに決まってます!やっぱりアルヴィンは最低です!」
「あ、おいちょっと待てよ!そんなに走ったら階段から落ちるぞー!」
「きゃ!?わ、ああ……痛ったあ」
「言わんこっちゃない」
「もう、最低なアルヴィンなんておいていきますからね!」
「あ、こらおいてくなー!」

ヒミツを見ちゃったアルヴィン君
(アルヴィンは称号「最低彼氏」を、手に入れた!)
(いらねえよ!)
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あとがき
夢主の日記の内容は皆様のご想像にお任せします。
あと、アルヴィンはやっぱり子供です。
thank you for reading!

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