添付は最終部ラストのネヴェルとハルミナ。

▼キャラクターについて

『ジロウ』
正統派主人公という感じでしたね。
第二部まではハルミナに淡い恋心みたいなものを抱いていましたが、それを吹っ切り……
当初はハルミナかカトウと結ばれる予定でした。
物語を書きながら、ジロウにはぶつかり合って心配してくれて、隣に立っていてくれる強い女性が似合うなと思い……
結局、ジロウはテンマのこと(自身がテンマの魂の一部(良心))であることや、出生のことを知らないまま物語は幕を閉じました。
本当はせめて、リョウタロウとレーツのことは作中ジロウにも知らせようと思いましたがやめました。
作中のジロウの登場(意識)は、最終部の『英雄になりたかった』の話で終わっています。以降の話、主人公なのに彼は出ていません……
ジロウについてはまた後程語ります。

あと、ジロウの育ての親たちに関してはもっと掘り下げたかったのですが、自重して台詞もほぼなし、描写もほぼなしにしました。
ぶっちゃけますと、この二人＋子ジロウだけで一つの物語が作れます。


『ハルミナ』
主人公兼ヒロイン。
ジロウのことが好きだったので第二部までは本当は両思いでした。
ハルミナは吹っ切れたと言うより諦めた感じです。けれど本当はまだずっとジロウのことが好きでした。
ミルダとは遅すぎる親子の絆を始めれましたが、結局フェルサの記憶は消えたまま、母子として接することは出来ませんでした。


『ネヴェル』
何はともあれメノア一筋です。
当初はラスト辺りまで悪いキャラで通そうと思いましたが、途中でメノアというキャラを思いついたため、情に厚い人になりました。
カトウのことは何かとセットで行動するため腐れ縁や友人のようにネヴェルは感じていましたが、いつしかそれは変わっていたと思います。ネヴェルがカトウを弔う際の行動に全てをまとめました。
この先きっと、ネヴェルは誰も愛さずに、仲間や友を支える道を選ぶでしょう。


『カトウ』
明るいキャラのため動かしやすかったです。最後の最期までテンマを想っていました。その想いは、彼女が亡くなった後に報われています…
あまり明言はしませんでしたが、ジロウにも無意識に惹かれていました。彼女だけは、ナエラやハルミナと違い、テンマ＋ジロウを一人の人、一つの魂として見ていたという感じで。
愛した魂は生きている内に帰って来なかったけれど、その間に、ずっと傍に居てくれたネヴェルの存在に気付き、カトウは寂しいまま生涯を終えずに済み、感謝して逝きました。


『スケル』
唯一、生死不明なキャラ。人として死んだか、何かしらの実験の果てにネクロマンサーとして生きているか……
この人に関してはあまり多くを語らない方が綺麗な感じがします。当初考えていた時よりいい立ち回りキャラになっていたので、個人的にお気に入りキャラだったりします。


『ユウタ』
ジロウ、タイト、スケルーー誰一人に会えないまま彼は逝きました。
恐らく、作中で一番寂しい思いをした人だと思います。
作中で何かとエメラに諭されたりすることがありましたが、それは最期まで変わりませんでした。


『タイト』
誰よりも何よりも異母弟であるユウタ一筋です。敢えて、彼はユウタのところに帰らなかった。敢えて、一度も兄として接しなかった。
本当はユウタの傍で生きたかったけれど、今更タイトは平穏な時間を生きることは出来なかった。
ヤクヤの頼みで、魔界での生き方しか知らない三人の魔族と行動しーーユウタがこの世を去ってしばらくして、三人の魔族も世界で生きていけるようになり、自分の役目は終わったと彼は思い、三人の魔族の元から姿を消すでしょう。



『カーラ』
昔はフェルサ一筋、今はハルミナ一筋な彼。
フェルサが生きていると知ってからは揺らぎますが、いつしかハルミナの存在は大きなものになっていました。
二人の関係についてはうやむやにしたままですが、誰よりも未来が明るいのは確かです。


『エメラ』
当初はカーラが好きすぎて面倒くさいタイプでしたが、それを吹っ切ってからの素の彼女は面倒見のいいお姉さんだったりします。ラダンとは悪友みたいな感じ。
終盤では一人の男を待つナエラを支えつつ、ユウタという人間の生涯を傍で見守り続けました。果たして、彼女の中に芽生えた感情はどのようなものだったのか。


『ラダン』
ウェル一筋でしたが報われず。
でも、そのお陰で、彼は人間界でエメラと共に、眠る彼、ナエラ、ユウタを見守る道を選べました。
そして、今までの作品では絶体にしなかったことーーラストのラストで初登場キャラを出す！ーーです。

『彼女はジロウの家の隣に住んでいる少女。歌を歌う仕事をしており、仕事上、いろんな地域に足を運んでいる為、たまに会う程度だ。
ラダンがエメラと共に人間界に移住して来た日、色々あって、ラダンが少女を助けたーーなんて言う、ありきたりな事があって。
それっきり、彼女はラダンに惚れ込んでしまった。』

↑この人です。
実は『人間界の物語』一話目にて『ジロウの家のお隣さんの娘』という設定は出してまして、レギュラーキャラにする予定でしたが収拾がつかず、その名残でラストに出させて頂きましたーー！！今までの作品では絶体にしなかったことです(笑)
そしてラダンといい感じにさせるというのも当初の名残だったりします。


『ウェル』
二部で微かに話していましたが、彼女の初恋の相手はカーラです。ラダンからの好意には告白されるまで気付いていませんでした。
二部でラザルのことが気になり、ラスト以降も姿を現さないラザルを待ち続けています。弟のような、まるで家族のようなマグロには救われ続けています。


『ミルダ』
ハルミナのこともカーラのことも、本当はずっとずっと大切に思っていました。
けれど、フェルサとの約束を守るために、ミルダは全てを棄てる道を選びます。
結局、フェルサの記憶は壊れてしまいましたが、それでもようやく、ミルダは家族の絆を取り戻せました。
近いうちにフェルサは先立ちますが、それでもミルダの傍にはハルミナ、カーラ、マシュリ達が居てくれるはず。


『マシュリ』
フェルサに救われ、フェルサの為だけに生きてきた彼ーー彼女。
けれどフェルサの記憶は壊れ、マシュリは生きる希望をなくします。
それでも今まで散々、下等だと思っていた存在たちが何事もなかったように自分にに接し、自分を赦し……戸惑いながらもマシュリは救われていき、新しい人生のスタート地点に立てました。


『マグロ』
正しいことしか見ようとしてこなかったマグロでしたが、信頼してきたマシュリの目的を知った後から周りを見るようになりました。
テンマに言葉を届けようとするジロウを、自分とマシュリに置き換えて見ていました。
叶わなかったと思っていたけれど、きっとこれから、新たな人生を始めるマシュリを広い世界に連れ出すのはきっと、マグロなんだと思います。
マシュリに対しては天使の先輩としての憧れでしたが、女性と知ってからは少しそれを意識しているかもしれません。


『フェルサ』
大切な者を喪うことを恐れ、壊れてしまった天使。結局、自分自身で大切な者を傷付けてしまう道に進んでしまいます。
結局、そんな彼女は救われないまま、ただ、記憶は壊れてしまった。
実験を重ねたその身は天使としての寿命は生きれず、けれど、大切な者に囲まれてーー過ちを、憎しみを忘れた彼女。
皮肉にもそれは、彼女が望み続けた幸せな日々だった。


『ナエラ』
ネヴェルと親子設定後付け、ジロウのヒロイン後付けな人です。最後の最後まで大事な役割を担うキャラになるとは……
ネヴェルを好きなのは、無意識に父と感じていたからーーなんてことを二部辺りで思い付いていました。
ナエラに関しては後々語ります。


『ヤクヤ』
ぶっちゃけレディル大好きな人です。
レディルに記憶を弄られてからは、レディルの存在は薄まっていましたが、その魔術は時を経て、ようやく解かれます。
それでも尚、ヤクヤの忠誠はレディルにありました。これから先、レディルの息子であるレイルを支え、何百年も先になりますが、レディルはきっと、ヤクヤを待っていてくれることでしょう。


『ムル』
ラザルとは友達みたいなもの。ヤクヤの手伝いをしたかったが、ラストではタイトに連れられ、ラザル、トールと行動を共にし、人間社会を学び、様々な仕事をしています。
ラザルとウェルの関係を一番心配しており、煮え切らないラザルに苛々する日々が続いているはず。


『ラザル』
ムルとは友達みたいなものであるが、それ以上に凄く好きだったりします。兄弟みたいな感覚。
ウェルといい雰囲気になり、彼女からの好意には気付いていますが、彼女の元に留まっては、何かとずっと一緒に居たムルと離れることになる、自分一人幸せになれないーーなどとグダグダ考えてはタイト達と世界中を駆け回る日々。
けれど二人の時間はまだまだ長く、寂しく待っているウェルの元にラザルが顔を出す日はそう遠くはないのかもしれません。
ウェルはきっと思わず抱き着いてしまうでしょうね。


『レイル』
約束通り、ジロウはレイルを助けてくれました。けれど、レイルは結局、ジロウには会えないままでした……そんな悲しみをレイルは一生抱えていくことになります。
けれど、ヤクヤやネヴェルに支えられ、いつしかレイルは本当の王に、父のような誇り高い王になります。
そして、目覚めた彼に会い、その彼の中に、ジロウの面影を見るのでしょう。


『トール』
本当はずっとヤクヤに着いていきたかったけれど、人間社会を知るために、タイト、ラザル、ムルと行動を共にします。
けれどもしいつか、タイトが離れ、ラザルがウェルの元に行くーー……なんて未来があれば、トールとムルは恩人であるヤクヤの元に行き、共にレイルを支える、なんて未来がくるかもしれません。


『レディル』
この作中で「ろくでもない大人」という表現をネヴェル/リョウタロウ/ミルダといった親組に使いましたが、唯一それに当てはまらない人がレディルとメノアになります。
ろくでもない大人だけが今も生き残って、そうじゃない大人が逝ってしまったーーというものを含ませていました。本当は終盤でなんらかの形でメノアと共に出そうと思いましたがやめました。
強いて言えばメノアを弔う際のあのシーンで。なのでヤクヤが寂しい感じになっています。
死して尚、ネヴェルはレディルに感謝しています。
死して尚、全てを取り戻したヤクヤはレディルを慕っています。
それは、ミルダとカーラも同様でしょう。


『メノア』
ネヴェルの永遠のヒロイン的な人ーーと言いますか、過去組のヒロインと言ってもいいかもしれません。どこかで出してあげたかったのですが、レディル同様に故人で徹底しました。
優しい彼女は誰からも愛され、かつてはミルダやフェルサもメノアが大好きでした。
過去組は作中、断片的にしか書きませんでしたが、平和で楽しい日々もたくさんあったはず。

……最終部の最後でナエラがメノアの最期の想いを夢で見るシーンがありましたが、あれは目覚めた彼の記憶がナエラに流れ込んだようなものだったりします。
メノアを殺めたのはテンマであり、目覚めた瞬間に溢れ出た記憶がナエラに流れ込んだーー……もしくは、目覚めた彼の記憶に残されたメノアの意思ーーメノア自身が娘に伝えに来た……そう考えてもいいかもしれません。


『レーツ』
ただの占い師だったはずが、書いていくうちに物凄い大役になっていました。リョウタロウとレーツに関しては、ラストで生き返らせるかどうか散々悩みました。
【世界が平和になったらさ、そこにあんた達が居てもいいと思うんだ。オレは、リョウタロウも、あんたも、救えたらいいと思ってる】
……というようなジロウの台詞はその名残です。


『リョウタロウ』
作中はジロウとテンマの比較みたいな物語でしたが、確執があるのはリョウタロウとテンマです。リョウタロウは存在しか知らないテンマを憂い、何にもなれなかったテンマはリョウタロウを憎んだ。
作り上げられた英雄と、全てを憎んだ英雄の模造品。
『英雄がいた！』は、この二人の存在から全てが始まった、この二人が居てこの物語になったとも言えます。
もしリョウタロウが与えられた立場から逃げ出していたら、テンマが人間の英雄になっていたかもしれません。


『テンマ』
運命を呪い、せめて英雄になりたかった。けれど、結局は何にもなれなかった彼は、リョウタロウを、争いを始めた種族を、世界を憎んだ。
良心(ジロウ)が抜き取られた彼には善の心なんてない。けれど、作中でジロウが傍に居た時の彼は、微かに良心を取り戻していました。

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