「失礼します」
「あ？」
「…何やってんの、木手」

「なっ…ぬーやがそのエプロン！キモっ！今すぐ脱げ！」
「晴美家政婦紹介所から参りました。…家政婦の」
「キテですってか！いつのネタやっさ！晴美ってあのオヤジと掛けてあんのか！」
「まぶやー…」
「さみーんだよ、やめれ！やーのエプロン姿なんかたーも得しないんどー！」
「フフフ…言わずもがな。キテです」
「うざ…」
「キモ…」
「…本当何やってんの。この暑さにやられておかしくなったの？この部でエプロン姿が誰か得になるのなんて私だけなんだからね！」
「えっ」
「えっ」
「えってなに凛甲斐。えって」
「やーのエプロンはねーやー。ないない」
「うざ…」
「裸の上から直接、なら考えてやってもいいぜ」
「キモ…」
「ぬーあびとぅーみ、裕次郎！なんならわんがマワシつけて四股踏んでやるさー」
「慧くんそれ裸エプロンじゃねーやっし。お相撲さんやっし」
「慧くんそのボケなんなの？私のお色気コスと自分の力士コス同等だと思ってんの？ばかなの？ちょっと表出ろよ」
「わ…わっさいびーん」
「ふらー、名前！慧くんいじめらんけー、わんが許さんどー！」
「そうです、何も苗字くんが無理めの身体わざわざ晒すことはないでしょう。なんなら俺が代わりにやりますよ、その裸エプロンとやらを」
「喋らんけー、永四郎。かしましい。マジでウザい。キモい」
「無理め言うな。無理めの身体言うな」
「つーかその家政婦ギャグ、ぬーが。どっから出してきたんどー」
「クールビズですよ。俺がこの格好して部室に入った来たときの君たち、少なからず寒気したでしょ。涼しかったんじゃないですか」
「えっ」
「えっ…」
「何その微妙な自虐ネタ…」
「節電しようなら節電しようってもっと分かりやすく言わんとわからんばぁよ…」
「……」

暇だったんですよ。
木手がぼそっと言った。

「……」
「……」
「この部ってさあ、たまにこういうマジでやるせねー感じの微妙な空気漂うよな」
「ほんとに何今のギャグ…拾えないし救えないし気まずいしマジでサムいよ…」
「な…」
「…あい、やったーここにいたんばぁ？」
「あ、知念」
「おー、知念！」
「わんの近所のおばぁが物置に余ってた花火見つけたらしいんどー。やったー一緒にやらん？」
「やる！」
「うおお、やるやるっ！」
「いいですね。やりましょう」
「さっすが知念！」
「私、新垣と不知火呼んでくる！」
「わんもいく！」
「かってんぐゎー！」

暑中見舞い申し上げます。
バカばっかのわたしらですが、毎日楽しく夏やってます。

おしまい




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