410型ウイルス (1/7)
「なぁ、財前」
「…何すか、麻衣先輩」
狭い部室の端っこと端っこで対峙する、
「今からあたし、そっちに向かって突撃してもええかな」
「絶対嫌や」
うんざりした表情の少年とファイティングポーズを決めた少女。
「まあそう照れんと」
「いや照れてませんて。やめてくださいよホンマ」
そんな少年――愛しい後輩めがけて少女は。
「えぇいじゃかーしい!おりゃああああ!!」
「…うわああああ!!」
あたしは全速力で突進した。
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