コレの続き



「…なるほど、それで私の元へ…」

新羅の前には、ムスッとした臨也とニコニコと笑っている静雄が居た。
彼らの話を聞くようではどうやら身体が入れ替わっただの魂が入れ替わっただの…。

「僕は関与してないよ」

「嘘だな」

「いや、嘘じゃなぐげげげッ!苦しいよ臨…じゃない、静雄くんっ!」

臨也が新羅の首を締めているという光景にセルティは驚いた。
隣でニコニコ笑っている静雄も、どことなく違う。
違和感という感覚がこういうものなのか分からないセルティはただオロオロとするばかり。

「なにか知ってるんじゃねぇのかよ手前…!」

「知らない!知らないよ!ましてや君達とは出来るだけ関わらないようにしてたんだよ僕らは!」

『わ、あわわわ!臨也…じゃない、静雄!落ち着け!』

「あはは!面白いねぇ…俺が暴れてるってなんか凄く変な感じだな…。まるで俺が野蛮な男みたい」

「おい、誰が野蛮な男だ」

「強いて言えば俺の姿をしたシズちゃん?」

「お願いだから僕とセルティの愛の巣で痴話喧嘩は止めてね!?家壊さないでね!?」

「寧ろ壊しちゃうのは俺の方かも。だって俺今シズちゃんだし」

怒り狂ってる臨也と、どこか読めない静雄。セルティは頭を抱えた。
静雄が臨也で、臨也が静雄。
理解するのは簡単だが実際に見るとなんとも不思議な光景だ。

『えー…と、静雄?とりあえず一旦落ち着け。元に戻る方法は私達も探してみるから…』

「…悪い、セルティ…」

「ちょ、セルティ!?いいのかい!?」

『このままだといろいろ困るだろう?私達も、静雄も臨也も。新羅はこういう話にも詳しいじゃないか』

「そうだけど…」

大体理由は分かっているのだが言いたくなかった。
あの二人はそういう関係だからきっと原因はアレなんだろう。
それをどう説明したらいいのか…。
自分の口から言うのもおぞましい。まぁどうせ放っておいても治るものだから急いで治さなくても大丈夫だろう。

「うん、暫く放っておけば治るんじゃないかな」

「ぶん殴るぞ」

「止めてシズちゃん!それ俺の身体だから!寧ろ俺が殴るって。あ、俺まだ手加減とか出来ないから…間違って死んでも俺を怨まないでよ新羅」

「そういう怖い事サラッと言わないでくれるかな!」

ああ、なんて恐ろしい二人だろう。昔の自分を呪いたい。どうしてこんな二人と知り合ったりしたんだろう。
これはもう神様の悪戯としか言いようがない気がする。

「新羅さぁ…何か知ってるよね?」

「腕ボキボキ鳴らしながら私の方へ近付いてくるのやめてくれないかな凄く怖い」

「ごめん、一度やってみたくて」

「俺の身体で遊ぶなノミ蟲」

奇妙だった。セルティは自分自身も奇妙な生き物だとは思っているが、目の前の二人も奇妙だった。

『それで?身体が入れ換わる前に二人は何かしていたんじゃないのか?』

「え?」

「えぇえ!?セルティ!?そこ聞いちゃう!?」

静雄と臨也は考える。昨日は二人で一日中イチャイチャしてその後…。

「あ、そうだ。確かセックs」

「うわぁあああ!!言わなくていいよ静雄!じゃない臨也!!」

「お前もいちいちややこしいな」

新羅はこれ以上会話が酷くならないよう、二人がこうなってしまった原因を話始める。
どうやら入れ変わった原因は情事の最中に使ったローションがいけなかったとの事。
そういえば途中から変な感じはしていたな、と静雄の姿をした臨也が頷いた。

「お前、何使ったんだよ」

「えっとねー、いつものじゃシズちゃん飽きるかなって思って俺の知り合いから取り寄せてもらった特注のローション」

「砕け散れ」

「え、えええ!?砕け散れ!?これまた訳の分からないツンだねシズちゃん!」

このまま静雄の機嫌を損ねないように静雄の姿をした臨也は続けた。
自分もこのままじゃ困る事この上ない。

「あっでもね、多分効果は一日とかじゃないかな?そんな危ない物俺にくれる訳ないし…」

「戻らなかったらどうすんだよ」

「新羅になんとかしてもらう」

「結局僕に頼るの!?うぇえん、セルティー!!」

『新羅、友達を選ばないからこうなるんだ。だけど静雄も臨也もお前の唯一の友じゃないか。友達なら仲良くしないと』

「セルティーっ!?」

こうして入れ変わったままの二人は外にも出られず新羅の家で一日を過ごしたのだった。
朝、元に戻った静雄は隣で寝ている臨也を叩き起すと顔面めがけて拳を振りおろした。



(あっぶな!?シズちゃん朝から何す…あ、戻ったんだね!)
(良いから一発殴らせろ)
(うわぁ、その理不尽さは間違いなく俺のシズちゃん!)
(朝から煩いよ二人とも。元に戻ったのならさっさと帰ってよー!!)

―――――
くれーぷ様リクエストありがとうございます!
いやまさかこの話の続きのリクがくるとは思って無かったです^^
イラストと迷ったなんてそんなありがとうです><

リクエストありがとうございました!


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