オルトレマーレの星ひとつ | ナノ
オルトレマーレの星ひとつ
▼47
「ぼ、僕…

昴姉のこと、怖くないよ!

確かに攫われた時は強い人だと思ったけど、僕のこと気にかけてくれてたし、毎日頭撫でてくれてたし…!
だから僕、昴姉は怖くない!」


正直、驚いた。

私のことが怖くないといったこともそうだが、まさか気まぐれでやっていたあれを覚えていたとは。

一気に喋ったからか顔を赤くして呼吸を整えるフゥ太は、私の手を握ってへらりと笑う。

「あのね、昴姉って呼ばせてもらってもいい?」

「もう呼んでるじゃん


…ほら行くよ、フゥ太。」

やっぱ私一人じゃ道わかんないわ、と言えば、ぱあっとフゥ太の顔が明るくなった。

リボーンが私とフゥ太を二人っきりにしたのはこういうわけか。
やや急ぎ足で歩くフゥ太の頭を黒曜の時のようにポンと撫で、されるがままに足を運んだ。



「いらっしゃーい…あ、辻井、フゥ太!」

「武兄!」

「昨日ぶり、山本クン」

「おう!辻井は来ないかと思ってたぜ!」

「リボーンに参加させられたんだよ。」

出迎えてくれた山本クンと軽く会話をしていると、カウンターの奥から店主__まあつまり山本クンの父親らしき人が顔をのぞかせる。

「らっしゃい!嬢ちゃん達が一番だよ!」

「あ、ども。お世話になります。それ運びましょうか?」

カウンターの上に置かれた寿司を指差す。不本意とはいえご馳走してもらうんだからね。礼も言えないようなクズではないよ。
さすが女の子は気が効くね、とカウンター越しに頭を撫でられた。力強いそれに少し髪がぐちゃぐちゃになったが、それをまあいいかと思わせるのはこの人の人望だろうか。

手伝ってる間に人は集まり、なんでここにいるんだと獄寺クンに怒鳴られたり、最後にやってきたランチア達を出迎えたりして慌ただしくパーティーが始まる。


「…あ、これうまいわ。」

犬達にも持って帰ってやるかと剛さん(とさっき教えてもらった)に頼めば、丸ごと一皿もらってしまった。


「いいのかな…」

「気にすんなって!親父人にプレゼントするの好きだから」

あいつらに持ってってやれよ!
山本クンがそう言うなら、ありがたく持って帰らせてもらうことにしよう。

…そういえばクローム来てないな……

リボーンにクロームはどうしたのかと聞けば誘ったけど断られたとのこと。ちょっとクローム!
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -