意識の低い僕
「もしもしぃ……?遅いですよぅ……早いとこ来て情報整理してくださいなぁ」
涅槃は歩きながら電話をしている。
その様子を眺めながら憂はつまらなさげについていく。
迷路のような白い道を迷わずに歩いていけるのは慣れのおかげだ。
自分よりややせかせかと涅槃が進んでいくが、マイペースに進んでいく。
時々電話をしながら舌打ちをしているようだが、誰が相手なのかは定かではない。
どうでもいいや、そう呟く。
「はい……早いとこ来てくださいねぇ……経費嵩んでるんですよぉ……?」
口調こそ穏やかだが、涅槃は結構に頭に来ていると見える。
ぶちりと電話を切り、涅槃は更に速くも歩いていく。
今度ばかりは追い付けなくなりそうだったので憂も速度を早める。
何がそんなに苛立ちを与えてるのか気になるが、そのことを聞けば多分苛立ちを更に募らせるだけだろう。
憂は涅槃がどういった人間なのかわかっているつもりでいた。
つもりであるから、本人のことを本当に理解しているかどうかはわからない。
歩いていきながら、憂はそんなことを考えていた。

続く
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