γの躍進
「確認してます?ザルでは?」
荒神古式は不安定な敬語でぼそぼそと詰め寄る。
彼女曰く、職員パスの解像度が低いものが居るらしい。
はいじま涅槃はぼんやりと古式の幼い少女のような声を聞きながら髪をいじっていた。
「……そうですねぇ……ですが、泳がせておいた方が面白い時もあるんですよぉ……古式さんにはわからないでしょうけどぉ……えへ」
にやにやと笑いつつ涅槃は書類で顔を扇ぐ。
古式は相変わらずの無表情で見つめ返す。
「本職、理解しかねます。不穏分子、早々、排除です」
見続けるとぐるぐると目が回るような心地のする、嫌な配色の目で古式は詰め寄る。
涅槃は動じた様子もなく、髪を払い、古式の肩を押す。
突然の事に対処できず、古式は少し仰け反る。
しかし、転けるようなことはなく、後ろに下がっただけであった。
「……愚生に任せてくださいなぁ……ふふ、失敗はしませんよぉ……」
怪しげな笑い声をあげる涅槃を見る古式は、酷く無表情であった。

続く
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