獅子寮と蛇寮///

獅子寮 記憶あり転生男
蛇寮 記憶なし転生男

獅子寮のところからじっと蛇寮を見つめているせいで気味悪がられている。
元来無口なために回りとも打ち解けられない。
当然蛇寮からは目の敵にされていて、近寄りたくても近寄れない。そんなぼっち。

友達がいなくても。理解が得られなくても。孤独でも。
視線の先で君が笑ってるならそれでいい。
そんな無欲さと諦め。

やることもなくて、でもなにかで必要になるかもしれないと思って、勉強はしっかりしていて成績もいいほう。勉強くらいしかやることがないから、ガリ勉みたいなところがある。余計に取っつきにくい。

私物も少ない。

あと、きっとホグズミートにはいけない。「いってらっしゃい。…おれは、具合が悪いから」と見送って部屋に戻っていくけど、許可がもらえてない。親戚の家でちいさくなってるのかもしれない。
そのことを同級生にバカにされてたりしそう。困った顔はするけど、「…俺に構っていたら、せっかくの遊べる時間が減ってしまうぞ」とやんわり返してそうな。

なんやかんやで蛇寮くんのことラブなので、とっさに助けたりかばったりしてそう。原作軸二年目ならそれこそ、「助けがくるまで、ここで我慢して」ってぎゅっと抱き締めて石化とかやりそう。やりそうじゃない??

で、なんやかんやで蛇寮くんから匿名でクリスマスプレゼントもらったりしてそう。
誰からかわからないけど、こんなに心のこもった本当のプレゼントははじめて。って、心底喜んでそう。そんなに高いものでもなんでもないだろうけど。ちょっと質のいい羽ペンとか、簡素な時計とか。時計かなぁ。

はじめて。ってきらきらした目で大事にしてるけど、そのうち壊されちゃったりもして、それまで感情らしい感情をはっきりさせたことないのにぼろぼろ泣いたりしてそう。
「…ぁ」ってびっくりした顔をして、落とされて割れた時計を大事に手のひらでつつんで、みるからに落ち込んでて。「…せっかく、くれたのに…」ってしょんぼりしてる。けど、怒るでもなく悲しそうにぺしょぺしょするだけなんだろうな。

そのうちこっそり抜け穴から抜け出して怒られそう。そうしないとお礼ができないから、お礼のものを買いに抜け出して。それか、修理とか?魔法では直せなくて専門のとこに修理してもらいに…


「いえ、俺がわるいので…」ってしょもしょもおこられてるけど、「おまえは悪くないだろ!?壊したヤツがいて、そいつがわるいだろ!?」って怒られたりしてそう。
「でも、ルールをやぶったのはオレだから」って困った顔をするばかりのこどもだから、子供らしくない。なんやかんやで事情聴取されて酌量の余地あり、みたいな扱いされてそう。


蛇くんが闇陣営にはいるのを見越して可能な限りあれこれするんだろうな、と思う。
将来的に世界がどうなっても、蛇寮くんがどうなっても助けてあげられるように、みたいな。
偏屈なはぐれものな年寄りのあとをついで、変な研究したりしてそうな気もする。闇の印をどうにかこうにかするとか、安心なシェルター作るとか、なんかいろいろ。とにかく役に立ちそうならなんでも。
「君のためになにかしてあげるには、時間がたりない」といつもいってそう。
防衛術とかも熱心にやってそう。自分が助けてあげられるだけ強くならなきゃ、みたいな。


プレゼントをくれていたのが蛇寮くんだとわかったら、本当に嬉しそうにしてそう。
「プレゼント、お前がくれたものなら嬉しいのにといつも思ってた」とかなんとか。


抱き寄せて守ったりするのしそう。相手が誰でも怯まないし、殺されかけたって平気。がうがう。致命傷を負うようなことだって平気。ちょっと骨が折れるくらいは我慢しちゃう。
「へいき」「かすっただけ」「なんともない」って答えてるやつ。脂汗が出そうなくらい苦しくても、ゆるっと微笑んで「けがはないか」って聞いて「一応、医務室にはいくから心配するな」とかなんとか言いくるめようとしたりして。
学校時代ならそれこそ、「一緒にいると、俺、余計に捕まっちゃうから」とかやんわり引き離したりして、一人になったらずるずる座り込んで「…っ、… ぁ… … い、かな、きゃ…」って。だばっと脂汗かいてるし、痛くてぶっ倒れそうだけど、医務室行くって約束したから、ってのたのた医務室に向かうやつ。
なんだかんだで戻ってきちゃってばれたりしそう。怒られてそう。でもめげない。やめない。やめられない、とまらない。


「なんで俺なんだ」って言われても、困った顔で「君だから」って答えるしかなさそうな獅子ぼっちくん。魔法学校で出会うまで、ずっとずっと、逢いたかった、みたいなド重いとこはあるだろうけど、全部内緒。そのうちばれるやつ。


蛇くんに恋人ができても嫉妬したりはしない。
自分は他人であることはもちろん、「自分なんかが蛇くんと、なんておこがましい」とか思っている。遠くから相手の幸せを願って、近づくことがあるとしたら相手が困ってるときだけ、みたいな。多分蛇君が結婚したとしても変わらない。どこまでも他人でいい。それで我慢できる、みたいな。
でもたぶん、前世では恋人なりなんなり、もっと近い存在だったと思う。時々、薄れている記憶を思い返しては心の奥がキリキリずきずき痛むけど、でもあれは過去のことだから、と必死に飲み込んではいる。
誰もいない場所でぼろぼろ泣いたりもしている。必死に声を押し殺して、時々こらえきれなかった嗚咽がこぼれたりして。でも、言わない。
隣に立っているのが自分じゃないことがどこまでも悲しいけど、どこか安心してる。そういうところは変わらなさそう。

泣いてるところをうっかり見られて恥ずかしそうにしたりしてそう。あんまりにもぼろぼろぼろぼろ泣いてるから、うっかり見つかっちゃったら心配されそう…


お気に入りスペースに案内したりしてそう。でも、「ここ、気に入ってるんだ。森、近いし、人来ないから」って照れっとしてるせいで口下手度UPしてそう。で、恋人ができたならもうここには来ないだろうとか思ってたら普通に来ちゃってびびりたおして逃げていく、と… 獅子くんはドヘタレ。


ドヘタレというか。「俺の人生に君は必要だけど、君の人生に俺はいらない」と思ってそう。決めつけてる。それもやっぱり記憶があるからだろうなぁ。
「俺だけが覚えていることに意味があるなら、君の助けになるため」みたいな。自己犠牲精神がつよつよのつよ。
「やりたくてやってるだけかだら、気にしないでくれ」って、まるで普通の親切をしてる顔をして死にかけることもいとわない、そういうところが悪いところ。


なんかの時に「何か欲しいものとかないのか」って聞かれたら、「…思い出だけでいい」って答えてそう。
「何もいらない。君のこと見ていられればいい。こうして話せただけで充分。それ以上は望まない。望まないから、その代わり、幸せになってほしい」みたいなさ。そういうところだぞ…!!

mae//tugi
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