誰がなく。
誰もなかぬ。
道端の土塊を何故気にする。
そんな趣味も暇も無かろうに。
見るな見るな。
よくみろ。
それはただの、土塊よ。

あとに引けぬと分かりながらも欲し、崩れた土塊だ。
人にはなれるはずもないのに思い上がった、愚鈍な土塊だ。

手向けの花も送りの言葉も貰えぬような道端の土塊だ。

誰がそんな土塊の言葉を聞く。
誰がそんな土塊の華を受け取る。

嗚呼、馬鹿馬鹿し、馬鹿馬鹿し。

踏み潰せ踏み潰せ。


「馬鹿馬鹿しい」
「馬鹿馬鹿しい」

「子も愛せず」
「友も愛せず」

「誰を愛したいという?」
「父上、」

「なんと馬鹿馬鹿しい」
「馬鹿馬鹿しい」



黒く汚い穢い地面に、ぽつりと花が一輪。
かさりと風に揺れる揺れる。


「あぁ、本当。」
「馬鹿なヒトだ」


かさり。
華は、果たして、誰が拾うた。




***
ついぞ人に慣れた成れたと喜び勇んで、やっと等身大分相応に想いの丈を伝えようとした矢先、巫山戯んじゃねぇと闇討ち惨殺をくらう黒田の話。
その華が届いたらイイね(他人事

mae//tugi
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -