「…起きろ」
何故か自分のベットに寝ている小さな影をべしりと叩く。もぞもぞと窮屈そうに身じろぎ、目を開けた。まるで、青い宇宙のように煌めく目。
「…?」
「誰だお前」
きょろきょろと周りを見渡す小さい存在。目と同じ青く緑がかった光沢のある髪が動作に合わせて揺れる。ベットの端に腰を掛け、視線を合わせる。過剰なまでに怯えるそれ。
「…名前は?」
「ら、ラブ・ラ=ドライト…です」
「ラブラドライト?また変わった…」
「あの、ここ…どこです?」
「俺の家のベットの上だけど」
「…ど、どこです…」
「南久希里市。」
「みな…?」
ラブは窓からそっと外を見て、わぁ、と歓声を漏らす。それを横目にみながらぴっぴっと携帯のボタンをいくつか押した。数回のコール。
「もしもし、野間です。あ、唐花さん?頼みたいことがありまして。女の子の捜索依頼って出てます?…そうですか。はい、はいー」
ぷつ、と無情にも切られた通話。目げないと意気込んで、違う相手に電話をかける。ラブは部屋をうろうろと彷徨っている。
「マスター。子供要らない?」
「何言ってんだてめぇ」
「朝起きたらうちにいたんだが…」
「何やってんのお前…家賃下げてやるから頑張れ。」
「え、ちょ、待ち…」
ぶつり。これまた素っ気なく電話が切られた。ため息。ラブが不安げに近づいてきて、困惑した表情を浮かべている。野間が、ふぅ、ともう一度息を吐き、頭をぽんと軽く叩いた。
「なんか食うか?」
「た、食べる…です」
***
野間八弥とラブが久希里入り。
野間八弥(のま はちや)
空間転移能力持ち。パシリ。密売誘拐なんでもござれ。潜入捜査官的仕事も請け負う。裏取引場と家に情報もくれるマスターと、警察の唐花に頭が上がらない。若くもないが年でもない。
ラブ・ラ=ドライト
ゾンビっぽいやつ。なぜか野間のベットに寝てた。野間に世話になりつつ、野間がしてる裏仕事の手伝い。
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