Promise-夢想- | ナノ





出逢い

※設定を高校生にしているため、キャラが著しく崩壊しています。
ご了承くださいませ…

***









貴方がいたから私は目指してこれた…

貴方がいたから私は踏ん張ることができた…

貴方がいたから私は…私でいられた…



私は…すべてをかけて、今日からこのステージに立つ

みんなに私の声を届ける…



貴方と交わした約束のために…



自分の描いた夢のために…

















4年前

20××年4月





満開の桜並木を抜けると、これから3年間通うことになる高校が見えてくる




これからどんな出会いがあって、どんな学校生活を送るのか…




私の胸は高鳴っていた













クラス分けを貼り出している掲示板へと足を運ぶと、人だかりができていて自分の名前を見つけようと、人ごみを掻き分けた



ドンッ



『あっ!!!』



誰かにぶつかった拍子に私はシリモチをついてしまった



「ごめん、大丈夫?」



彼は手を私に差し延べてくれて



『い、いえ…私もよそ見をしてたから…』



私はその手を取ると立ち上がる



「クラス、よかったら探そうか?名前教えてくれる?」



背が高くて、逆光で顔がよく見えなかった…



『ありがとうございます…岡田菜々子といいます』



「岡田さん…あった、C組だ!俺も一緒だよ」



私は言われるままC組を確認した



『ホントだ!私、C組だ!!ありがとう…貴方の名前は?』



「中西京介…よろしく!菜々子ちゃん♪」



彼が私の後ろに回ったおかげで、はっきりと顔が見えた



高い身長、端正な顔立ちに、黒いサラサラの髪…



明らかに、モテる男の子…って感じ…



『よろしく…』



なんだか…恥ずかしくてこそばゆい



「中西!!」



彼を呼ぶ声に反応して



「じゃあ、またね!クラスメート!」



サッと手をあげて、走って行ってしまった



――同じクラス…



これが私の奇跡の出会いの始まり…














体育館に入って、自分のクラスの席に座る



回りではおしゃべりの声…



知り合いいないからなぁ…人見知りではないけど…



「あの…ここいいですか?」



背後からのかわいい声…



『はい、どうぞ!』



走ってきたのか、肩で息してる



ショートボブで、よく似合っている赤い淵の眼鏡をかけている…



その子が私の隣に腰かけた



「私、藤森禾夜(フジモリカヤ)って言います。父の仕事の関係で越してきたばかりだから、知り合いがいなくて…」



『はじめまして。岡田菜々子です。私も知り合い、いないんだ…』



よく笑って、人懐っこい…


それが禾夜の第一印象だった



初めてなのに、そんな事感じさせないくらい彼女と話していた


私は何となく感じていた…


彼女が私の親友になるんじゃないかと…












式も終わり、教室に移動する間、いろんな部活動の勧誘が始まっていた



「菜々子ちゃんは?部活…どこか決めてる?」



彼女が聞いてきた



『ううん…部活は考えてないんだ…ゆっくり、考えるつもり…禾夜ちゃんは?』



「私も…どんな部活があるのか知りたいし、ゆっくり決める」



そんななか視界の隅で、中西京介は数人の先輩に取り囲まれていた



――勧誘…すごいんだ…有名な選手なのかな…


















移動教室の時…



私の目は2人の人に釘付けになった



私だけじゃなく、殆どの女の子がそうだったと思う



1人は明るい髪にピアス

シルバーアクセをたくさんつけて…

歩く校則違反みたいな人と



黒い髪にこちらもピアス

シルバーアクセもたくさん



みんな、見てるのに…誰も近寄らない…



なんて言うのかな…寄せ付けないオーラを放っている感じ…



私があんまり見ていたからなのか、黒い髪の人と目があってしまった




――目は…ブラウンなんだ…




その瞳に吸い寄せられてしまう…


そして、目が離せなくなってしまった



クスッ…



――笑われちゃったよ…



「菜々子!!神堂輩がこっち見て笑った!!」



『神堂…?』



禾夜が言ったその名前に反応した


「うん、黒い髪の人が神堂先輩…3年生、明るい髪の人が折原先輩…こちらも3年生」



『ふーん…3年生なんだ…』



あの目が…キレイで…私の中で特に印象に残っている



「2人ともバンド組んでるんだよ…」



『へぇ、バンド…』



禾夜の話で他校の人とバンドを組んでいること…



神堂先輩がボーカルで、折原先輩がギターを担当しているということがわかった



『禾夜は、なんでそんな事知ってんの?』



ホントに素朴な疑問だった



「有名人だよ?あの2人…だって、やっぱり目立つしね…」



――確かに…



バシッ



『痛った!!』



頭を教科書で叩かれた



「今日のカラオケ行くだろ?」



『当たり前でしょ!もちろん行くわよ!!』



「禾夜ちゃんも、参加してくれるよね?」



「うん、すごく楽しみ♪」




入学式の日から2週間ほどたってクラスの親睦会が開かれる事になった


幹事は京介…


言い出しっぺだし、こういうの得意みたい



『京介!あんたねぇ、謝りなさいよ!!』



「石頭だろ?大丈夫、大丈夫!!」



『こら――――!!待てっ!!』



舌をベーッと出して、逃げる京介を追いかける













「今年の新入生か、元気だな…」


「…ああ…」



そんな私たちのやり取りをあの2人が見ていたとは、微塵も感じてなかった



「でも…さっきの女の子の声…俺、好きだな…」



「春が、人の声に興味を持つなんて…びっくりだぞ…」



校舎に消える私の姿を見て、2人がそんな会話をしていたなんて…



〜♪



「電話か?音切っておかないと、また担任がうるさいぞ…春…」



「ん…メールだけど、音は切っておくか…」












02.きっかけ へ…

2009.06.17

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