世界観 | ナノ

ゴーレム 


〇概要
 ゴーレムとは、「主の命令を遂行する、魔法仕掛けの人造人間」である。

〇精製
 石や土や泥や人肉…等々の材料(多くは土である)から人形を造り、これに生命を吹き込むことで完成する。
 生命を吹き込むにあたっては、聖なる言葉を記した紙片を体内に埋め込んだり、あるいは額や頭部に「emet(真実)」と書きこんだりする。紙片を取り出すあるいはemethの文字を一字消してmeth(死)にすることで材料に戻る(崩れ去る)。

〇特徴
 ・主人(作成者)の命令に従う
 ・警備のために遺跡に配備されていることが多い
 ・材質によって性能が微妙に異なる


※例外 「アダマイト」という個体
 かつて、人が神になろうとした時代があった。彼はその時代に造られたゴーレムである。
 神が最初の人間を創造した伝説に倣って泥から造られ、人間を再現するために人間と同等の知能・思考・感情を与えられている。ちなみに身体能力も同様で、人間の筋肉を再現するが故に人間以上のスペックを持ち得ない。だからゴーレム特有の怪力も無く、見た目程度の身体能力である。特別に目や耳が良かったりもしない。「人間であれ。但し人間以上にはなるな」というわけである。

 額の皮膚の下に「emeth」の刻印が隠されていて、これを消されない限りは半永久的に稼働可能。老化もしないし、怪我もすぐ治る。

 以上から、マイトは見た目からスペックまでほぼ人間。
 しかも一応は三大欲求も持たされていて、飲まず食わず寝ずでも平気だけど一週間以上は流石にキツいとかなんとか。

 人間との違いと言えば、材質と、老朽化をしないことによる寿命の長さと、生殖行為は出来ても子孫を増やせないことくらい。

 それはもうゴーレムじゃなくて人間扱いでよくないかという話が出始め、「神の領域を犯す禁忌」とか言われて、作製者は魔法使いギルド(※3600年代当時。現在の魔法使い連盟の母体となった組織)から除名となった。
 しかしその作成者は全く懲りず、マイト作製の反省を生かして「完全な人間」を造ろうと研究を続けようとしていた。
 だが、ここで大戦が勃発。魔物の大群に対抗するために、手っ取り早い戦力としてゴーレムが戦場に投入されるようになる。人間モドキを造っている余裕は無くなり、軍からは「低コストかつ戦力の高いゴーレムを大量生産しろ」と命じられ、マイトの作製者は軍部に連れて行かれてしまう。そしてそのまま失踪。マイトが彼を見たのはそれが最後だった。
 (本当は、マイトも連れて行かれる予定だった。戦闘能力は持たないけど、ゴーレム研究のサンプルになるから。しかし常日頃から人間の助手のフリをしていたので軍の目を逃れた)
 それ以降もマイトは工房の手入れをしながら作製者の帰りを待っていたが、戦況が激しくなって避難。この時点でマイト作製の資料は失われた。

 大戦中期から、外見は人間にしか見えない戦闘用ゴーレムが製造されるようになって、戦場に投入されては破壊されていった。
 4100年代現在では、そういった戦闘用ゴーレムは遺跡などを警備しているか、あるいは遺跡の中で眠りについている。


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