歴史



遠い昔、カルドニアに住む人々はハイエルフの力を得て魔科学と魔道が発達した文明を築いていた。そこに侵攻してきたのが魔皇帝率いる魔族達である。彼らは殺戮と破壊の限りを尽くしカルドニアを滅亡の窮地に追い込んでゆくが魔族に対抗する為に人々はハイエルフと共に立ち向かった。後に『ミシュドガル戦役』と呼ばれる大戦の幕開けである。

当時はハイエルフも人間同様に個体数が多かった為、知識や技術、資源を共有し様々な種族が入り交じる混成部隊が結成されたが魔族の計り知れない力には力及ばず劣勢が続く。そんな不利な戦況を覆す為、魔導兵器の開発に着手。様々な兵器が生み出され徐々に劣勢状態から持ち返す。強力な決め手となったのはハイエルフが禁断の技を用いて造り出した対魔族殲滅兵器『魔導ゴーレム』だった。稼働テストを経ず最戦線に投入され、一発のエネルギー砲で魔族の大群を壊滅させた。

これでカルドニア側の勝利かと思われたが動力に用いられていた魔力晶石が『魔導ゴーレム』の暴走を引き起こしてしまい、制御不能状態に陥った。『魔導ゴーレム』は大量のエネルギーを撒き散らして幾つもの大陸を破壊した後、魔力晶石が砕け散ったことでようやく停止したが幾つかの大陸は居住不可能な程に破壊され。暴走による死者も相当数となりハイエルフが激減してしまった。

カルドニア側が混乱する間に部隊の立て直し形勢逆転を試みた魔皇帝だったが、最終決戦を挑んだ5人の若者に阻まれハイエルフの聖女が自身の胎内に魔皇帝の力を封印。力を失い深傷を負った魔皇帝は撤退を余儀なくされ『ミシュドガル戦役』は終息に向かう。

人々の力で世界が復興し始める中『ミシュドガル戦役』で魔皇帝を退けた英雄達が新たなる王となり5つの国を建国。力を封じられた魔皇帝は生き残った魔族達を引き連れ南西部に退きベルセニア魔皇国を建国。後に不可侵平和条約を各国間で締結し停戦したが、シュヴァルツ帝国、フォルテラ聖王国、ベルセニア魔皇国以外の国は長い歴史の中で滅んでしまっている。

そして時が流れた現代。約3000年前に不可侵平和条約を締結して以降、停戦状態は維持されており長きにわたって平和が続いていたが奪われた力を取り戻し世界を掌握する機会を虎視眈々と狙い続けていた『ベルセニア魔皇国』が動き始めたことで運命の歯車が巡り始めるーー…。






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