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―帰国の日。

「久しぶりのシズちゃんだな〜。」

予定より1ヵ月早く帰れるとなり俺はこの日をすごく楽しみにしていた。
メールでシズちゃんに知らせると空港まで迎えに来てくれると言っていた。
しかし待ち合わせから1時間、2時間と時間ばかりが過ぎる。

まさか、いや、でも…。

彼は来ないのではないか?
嫌な予感がして、携帯を握る手に力が入った。

「嘘つき…。」

結局その日、何時間待っても彼が現れることはなかった。

「何だよ、俺1人で…ははっバカみたい。」

ショックだった。
裏切られた気持ちでいっぱいだった。やはり2年は大きかったようだ。
俺は携帯をへし折り空港のゴミ箱に突っ込んでその場を後にした。

 



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