02


 


「静雄が死ぬわけないよ、今起きたから遅刻するってメール来たしね。」
  
「つまんないの。」
  
そう言うと新羅はほら、と言って携帯の画面を見せてくる。
するとそこにはシズちゃんらしい淡白な文面があった。
いや、仮にその文面にデコメやら顔文字があったら爆笑するけどね?
あ、でも弟くんにもっと顔文字とか使えばなんて言われたら適当に(´∀`)とか付けそうだなぁ・・・気持ち悪い。
  
「それはどっちに対してかな?」
  
画面から目を離し新羅を見やる。ニコニコしながら尋ねる姿に若干イラッとした。
それはまるでシズちゃんがいないからつまんないって言ったのではないかという含みを持たせていたからで。
 
「は?どっちって何。当然シズちゃんの生存が確認されてしまったことに対してに決まってるだろ。
まさか新羅は俺がシズちゃんが遅刻だからつまんないって言ったとかバカなこと思ったわけ?」

 
ありえない。

 
少しだけ、ほんの少しだけそう思ってしまった自分が一番ありえない!

 
俺はいたたまれなくなって2人を置いてさっさと学校に向かった。
だからその後、2人の間であれがツンデレかとか不名誉極まりない会話が展開されていたことを俺は知らない。




 



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