ミツバチの王様
##amz_4576041266#S#
おススメ度★★★★★

海辺の国道沿いにひっそりとたたずむ喫茶店「香粉(こうこ)」。
そのマスターの杉崎は、かつてエリートサラリーマンでありとんでもない過去を持つ男。その過去を断ち切る意味でも、脱サラして店を構えた。
その杉崎が夢中になっているのは、ある養蜂家が出している蜂蜜。
なんとかその蜂蜜を店のメニューに加えたい杉崎は、養蜂家の所へ日参するが、その養蜂家──謝花(じゃはな)は一筋縄ではいかない男で……。


とにかく、過去にわけありな主人公は、そのことで幼馴染でもある従業員から姑にいびられる嫁の如く、ちくちく嫌味を言われたりしてます。
まあ、ぶっちゃけ言われても仕方ないようなことをしているわけですが(笑)
最初はいがみ合っていた二人が徐々にお互い惹かれていく……という典型的なパターンですが、さすがは中原さん。
そこに、ほんのりとサスペンスなスパイスをふりかけて、緩急バランスよく最後まで読ませてくれます。

続編になる同時収録の「王様の帰還」は、蜂蜜もかなわないような甘さと、恋特有の苦さも含んだ内容になっております。中原さんには珍しく「恋」を全面に出した小説です。
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