愛を伝えられる相手がいること


(つき合っている前提)




いつもと変わらない校舎。
いつもと変わらない風景。
いつもと変わらない人たちに、
いつもと変わらない校長室。

――――いつもと変わらないのに、どこか違う。

それはきっと、俺と音無の心の距離なんだと思う。
寒いとか、言うなよ?
本当のことなんだからさぁ。

ぼーっとソファに座っているだけの音無の肩に手を置いて、耳元へそっと顔を近づける。

「……音無」
「なに、日向」
「好きだよ」

ふっ、と息を吹き込みながら、周りのみんなに聞こえないように耳元で囁いてみせる。
そしたら、ほら。
真っ赤になりはするが、前みたいに「コレなのか?」なんてアホなことは聞かない。
だってそんなこと、分かりきっているから。
俺は音無が好きで、音無も俺を好きでいてくれているから。

「アホ日向っ……」
「……可愛い、結弦」
「……こんなところで言うなよ……」

あぁ、可愛い可愛い可愛い可愛い!
真っ赤になりながら俯くところとか。
それでも俺のブレザーの裾を離さないところとか!
結弦の全てが、俺を魅了してしかたがない。

「結弦っ愛してる!」

あぁ、本当に俺、幸せだ………。



愛を伝えられる相手がいること



「結弦は………?」
「っ、」
「俺のこと、愛してる………?」



それが、何よりの幸せ。



「愛してるよアホっ!」



おまけ








相互記念として、杏に捧げますっ!
短文乱文すみません^^;





2010.06.07




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