011:【手をつないだまま / しびれそう】


(※すろーおせっせ的な何か)


「一騎」


と、耳縁に寄せられた唇から情欲を滲ませ掠れた総士の声がする度、ゾクゾクと痺れそうな程の悦が一騎の背を這う。
手を繋いだままで身体も繋げて、内にも外にも総士の存在を存分に感じながら互いの体温を共有し合う。
時折ゆったりと揺さ振る程度の刺激は、火がつく前の熱が燻った様なもどかしさなのだけれど、緩やかに、焦らず、自然に落下する様に、じっくりと溶け合うこの瞬間は、とても幸せで何より満たされるのだ。


012:【昼間と違う / 横たわり…】


(※昼は清楚で夜は淫らな何か)


横たわる白い身体、肌を飾る赤い花びら、淡く染める頬、しどけなく開いた唇、白濁が散った下肢、乱れた呼吸、蕩けた瞳、壮絶なまでの色香…


「や…、ンあ、…ふっ、」


総士の下で乱れる一騎は、いつだってその全てを貪り犯したくなる程に艶やかだった。


「一騎、綺麗だ」

「ぅ、ぁ……、きもちいい、きもちいいから…もっと…」


昼は聖母、夜は娼婦。なんて言葉があるが、たおやかで穏やかな姿から一変、昼間と違う淫らで快楽に素直な愛らしさに総士は自分が狂わされていくのが分かる。


(昼は白百合、夜は鮮やかな毒を撒き散らす僕だけの花…)


013:【楽になりなよ / こんな顔をするのは】


(※襲い受け的な何か(を書きたかったけど多分これ一総です))


「一騎、やめてくれ」


言葉ではそう言いながら強く拒めていない彼の身体へ一騎はのしかかる。
戸惑いながらも総士が心から自分を拒絶しない事に、口端を釣って婉然と笑む。
こんな顔をするのはきっと総士の前でだけだ。
穏やかと称される自分が、他者を蹂躙し捩じ伏せる事に歪んだ喜びを感じていたと知っているから。
昔はクロッシングでそれを悟られる事が酷く後ろめたかったけれど、今はもうその心の全てを晒し傷付き傷付け分かり合う事が出来るのだと知っている。
それがとても痛くて苦しくて、そして気持ちが良い事も…
下肢へと手を滑らせ、衣服の上から総士の股間に指先を絡めて弄ぶ。


「…ッ……」


必死に耐えて息を詰める様子にますます嗜虐心が疼いた。
そして思うのだ、全部さらけ出してしまえ、っと――


「ほら、総士も早く楽になれば良い」


014:【真面目な君だから/さわってほしいの】


(※襲い受け的な何か(リベンジ!))


不器用な上に超が付く程真面目な総士だから、まあこうなる事は予想していた。
交際を申し込まれ、交換日記に、デート。
手を繋ぎ、腕を組み、抱きしめて、段階を踏み慎重に、慎重に、慎重に…


「大事にしてくれてるのは分かるけど、焦れったい」


座ったまま壁に追い詰めた総士へ、一騎は上目遣いに四つん這で迫る。


「ま、待て一騎。こう言う事はまだ早過ぎる」

「嫌だ。そもそもキスもしてくれないし我慢の限界だ」


膝の上に乗り上げ総士が唖然としているのを良い事に、一騎はわざと密着し誘う様に腰を揺らして見せる。
ごくっと総士の喉が鳴ったのが聞こえ、その手を取って自身の下肢へと導く。


「俺、総士にさわって欲しいんだ」


015:【押し倒すはずが / ここが良い】


(※覚えて欲しくて積極的になる何か)


押し倒すはずが逆にのしかかって来られた。
情欲に染まった頬や淫靡に潤む瞳。蠱惑に歪む唇や色香を撒き散らす白い首筋。それらをこれでもかと晒している一騎に、いつもの優しく清楚な穏やかさはない。

想定外の事態に総士は身動き一つ出来ず瞳を見開いたままに硬直した。


(…これは、本当に……一騎…なのか?)


そう疑いたくもなる。総士の上で衣服を脱ぎ落とし、付け根に輪状の跡が刻まれた細く繊細な指で薄闇に浮かぶ日に焼けない真っ白い肢体を自らで弄んだのだから。
すっかりとその淫らな光景に魅入ってしまい、気付いた時には自分で後を解き拓いた一騎に、総士のモノはあっさりと飲み込まれてしまっていた。


「ッ、ぁ、あ……ぁ…」


甘えた音の鳴き声。それだけでゾクリ粟立ち、穿ったままに増した質量が一騎の中を無遠慮に犯す。
ぐちゃり、と卑猥な音がやけに大きく響いた。


「そ、うし……、ここ」


震えなから身じろぎ欲に溶け切ったヘーゼルの瞳が近づいてくる。
薄く開いて濡れた一騎の唇が、総士の耳の縁へと触れて囁いた。


「ここがイイから…、ちゃんと、俺のナカ……覚えて?」





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