001:【もう少しこのまま / ギュってして】


(※事後も繋がったままの何か)

一騎の負担を思えばすぐに繋がりを解くべきなのに、愛し合った後はどうにも離れ難い。


「総士、もう少しこのままで」

「お前は僕の理性を試しているのか?それに身体への負担を考えたら、」

「大丈夫だから。ギュってして?」


言葉を遮られ甘えたアンバーの瞳がねだる。


「まったく…。少しだけだぞ」


なんて駄々をこねるのも溜息混じりに渋るのも、いつもお互いポーズでしかない。
愛おしくて心地良くて、ついこうやって繋がったまま戯れてしまう。


002:【やさしく触って / 約束と違う】


(※初めてなのに気持ち良過ぎちゃう何か)


初めてだった。
怖く無いと言えば嘘になる。
でも、やさしく触ってくれると約束した。
なのに…


「んぁッ…やぁ、もう、やだぁ…」


一騎はグズグズに泣きじゃくり喘いだ。


「ッ…約束、ひぁッ…と違う。優しくするって、言った!」

「優しくしている、僕が少しでも痛くしたか?」


痛みは微塵も感じない。
けれど恐ろしい位の過ぎた快楽は、無垢な身体を毒の様に蝕むのだ。


003:【声をあげたいのにかなわない / 懇願して】


(※指先舐めさせられてる何か)


「ん…ぐ………ふ…」

口に含まされた総士の美しい指に阻まれ、声をあげたいのにかなわない。

「一騎」

甘く低い総士の欲を含む声が鼓膜を擽る。
息苦しい以外に触れる手は優しくて、壊れ物でも扱うみたいなにもどかしい刺激に焦れる。
はしたないと思う理性の半面、めちゃくちゃにして欲しいと懇願してしまいそうだった。


004:【可愛い声が聴きたい / やわらかな体】


(※乳首にまつわる何か)


男である以上、女性の様なやわらかな体ではない。
だから総士が自分の胸元を執拗に愛でるのを見ると、一騎は些か複雑な心持ちになる。


「それ楽しいのか?」

「楽しいか楽しくないかで答えるなら非常に楽しいな」


よく分からないと言う表情を浮かべると、総士が胸元のソコをぱくっと口に含んだ。
舌先が器用に粒を転がす。


「ふ、ぁッ…あっ…や、んんっ」


濡れた粘膜の感触。
思わず鼻に掛かった甘い声が漏れて総士がクスリと笑って言う。


「ほら可愛い声が聴けて楽しいだろ?」


005:【夢だったらよかったのに / シーツをつかんで】


(※(無印島出軸)人類軍でのモブレ的な何か)


お前はこの島だけが楽園だったと言ったけれど、本当にその通りだ。
まるで実験動物の様に扱われ、挙げ句の果てが理不尽に凌辱されている。
きっとこの狭い部屋で行われている事は、この世界の縮図なのだろう。
苦痛に歯を食いしばり、 足を伝う赤と白濁が混じるそれに嫌悪する。
犯される屈辱にシーツをつかんで声を殺し耐えた。
これはきっとお前と向き合う事から逃げ続けた罰だ。
嗚呼、でも何故だろう…


(総士、総士。今お前の名前を呼んで助けてくれと叫んでしまいたい)


なんて、都合よく縋ろうとする自分に嫌悪感が増す。
本当にこんな悪夢みたいな世界…


夢だったらよかったのに。


006:【ごくり / 慣れない手つきで】


(※お口でご奉仕する何か)


ごくり、と喉を鳴らしソレを前に緊張が丸分かりの一騎へ、総士は困った表情を浮かべる。


「無理をするな、別に僕は気にしていない」

「嫌だ、絶対にする。いつも総士にばかりさせてる、お前がやるなら俺もやる」


むきになっている様子は微笑ましかったけれど、口淫に対してそこまで意気込まれるのもどうなのだろう。
一騎らしいと言えば一騎らしい。
慣れない手つきで総士の下肢へと手が伸ばされ、指先で支えたソレに恐る恐る唇が近付き口に含まれた。


「ッ…そう、歯を立てないように。上手だ、一騎…」


褒めて髪を撫でてやれば、遠慮がちだった舌先が嬉しそうに絡んだ。
素直で従順で可愛いくて愛おしくて、どうにかなってしまいそうだった。


007:【ふるえながら / シーツにくるまって】


(※病んデレ、監禁的な何か)


壊してしまった。
壊れてしまった。

いつからだったかなんて掛け違え過ぎた釦が多すぎて、無茶苦茶の過去から理由や原因を探るだけ無駄だ。
ただ秘めていた想いが、耐えていた痛みが、叶わない願いが、決壊して溢れ出した結果がこれだ。


「ただいま、一騎」


ロックをかけた扉を解除し自室に戻ると、一騎が裸のままシーツに包まり部屋の隅で震えながら座り込んでいた。


「ぁ…ぅ……そうし?」

「ああ、僕だ」

「ふ…ぁッ…ぁッ…、そうし、そうし」


側に寄り抱き上げれば、呂律が回らず舌ったらずな口調で名前を呼ばれた。
見るからに正気を失いながらも目を潤ませ頬は上気し、性器からはとろとろと雫を滴らせ発情している。
そうなる様に仕込んでここに閉じ込め続けていた。


「随分気持ち良さそうだな。外はお前が居なくなったと大騒ぎなのに」

「そと?」

「もうお前には関係のない世界の話しだ」


008:【ひとりじゃできない / いきたいの?】


(※上に乗っかってる何か)


「ぁッ、あッ…っ、ん…、ふ、ぁ…んぁっ…」


極めてすばらしい景色、いわゆる絶景というやつだった。総士の上に跨がった一騎は、最初こそ恥じらっていたがもうすっかりと、自ら腰を揺らして快楽に溺れきっている。
自制を失った唇は引っ切り無しに甘い嬌声を撒き散らす。


「やぁっ、ッぁ、そうし、無理ぃ、これ以上、一人じゃ、できな、ッ」


馴れない体位で無意識に加減してしまい、中々達っせない様子の一騎は、いやいやと首を振って懇願する。


「いきたいのか?」

「イキたい、も、辛い」


素直に欲を乞う溶けたその目が見たかった。


009:【手錠をかけて / シャワールームにて】


(※無理矢理にお仕置き的な何か)


ザアザアと水が自分達へと降り注ぐ。
総士の爪先で嬲られ、そこから飛び散った白濁が排水溝へと流れてゆく。
ゴポゴポと粘液を吸い込むその音がこの狭い浴室には良く響いて、視覚的に温かみのある暖色の照明の中でやけに生々しく聴こえた。

一騎の手首を戒める鈍い銀色の拘束具。
正直こんな物まで使われるとは思わなかったけれど、それだけ総士が本気で怒っているのだと背筋に冷たいものが走る。


「悪いが今日は優しくは出来ない」


けれどそんな風に言う癖に総士の悲しみが滲むその目に、一騎は恐怖よりも罪悪感でいっぱいになった。


010:【もっと強く… / もっと開いて】


(※だいしゅきホールド的な何か)


「…あ、っあっ」


揺すぶられ、はくはくと唇を悸かせ一騎が鳴いた。
両手が伸びてきて甘えた仕種で総士の首へと抱き着き、白く艶めかしい脚が腰へ絡んでホールドされる。
動きが制限されて浅くしか注挿出来ず、それが一騎にはもどかしかったらしい。


「…そうし、もっと強く」

「無茶を言うな。まずこの脚を解いてもっと開いてくれ」


しかし一騎はフルフルと首を横に振って、なおぎゅうぎゅうとくっついてきてしまった。





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