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「あらマルコじゃない!久しぶりね」


彼女は両腕を広げながらマルコに近づき、しょうがなく腕を開いた彼をぎゅっと抱き締めた。

さらにざわつく部署内。
エースなんか呆気に取られその様子を見つめる。


「変わんねェな、お前もよい。」


「当たり前じゃない。ほら、早くこの可愛い子ちゃん達を紹介して頂戴?」


マルコは未だ抱き締め彼の髪の毛を弄る彼女を離し、部署内の人間を一人ずつ紹介していった。

「まあ今いねェやつもいるが、だいたいこんなもんだよい」

「ふふ。可愛い子ばっかりね、嬉しい」


「おいナマエ...、おめェは仕事しに来たんだからな」


「冗談よ。よろしくね、皆さん」



小さく笑って見せるナマエ。

眩い程の美貌と溢れ出る色気に、部署内の男たちは思わずごくりと生唾を飲んだ。



その後彼女は違う部署にも挨拶に行く、と部屋を後にした。

彼女が去った後の部署内は彼女の話題で持ちきり。
仕事に集中できない、とマルコに抗議する声まであった。


「おいエース大丈夫かよ」


「いや、うん、ああ」


「いやーそれにしても想像以上だな.....やべェ」



デスクに肘をつきぼうっと彼女を思い出す二人にマルコは深く溜息をついた。


「だから言っただろうよい..」


「マジでマルコ!ナマエちゃんとお近付きになりてェ!頼む!」


「却下」


「なんでだよ!!ずりィぞ自分だけ!」


「あいつとどうこうなった所で遊ばれて捨てられんのがオチだよい」


「え.....。
いやもうそれでも構わねえ」


「兎に角あいつは同僚になるんだ、大企業との取引や提案にはナマエを同行させるよい。仕事はできる女だ」


「よし!やる気出た!!な、エース!!」


「ん..?お、おう!」



未だぼうっと上の空のエースに、
彼をよく知るマルコはやっぱりこうなったか、と
またひとつ溜息をついた。


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