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閉め忘れたカーテンから差し込む強い日差しに顔を顰める。ふかふかなマットレスに、シルクのシーツ。
ごろんと寝返りを打てば、まだぐっすりと寝ているシャンクスがいた。

時刻を見ると朝8時、
エースには地元に戻るから泊まってくると伝えているから大丈夫だが、あまり遅くなると面倒だ。
シャンクスを起こさないようにゆっくりとベッドを降りた。
バスローブを簡単に羽織り、広いアイランドキッチンでお湯を沸かす。


お湯を沸かしているうちに歯磨きと顔を洗い終え
自然と引いた引き出しの中には、色とりどりのティーパックが揃っていた。
その中から適当に選び、カップを出してお湯を入れようとしたところで玄関のドアが開いた音がした。







「シャンクス、起きてるなら電話に...」




「ベン..」



「ナマエ.....驚いた。...久しぶりだな」



「ええ、本当に。...会えて嬉しいわ。
シャンクスならまだ寝てるわよ」



「やっぱりな。
仕事の資料を届けに来たんだ。....いい香りだ。ルイボスティーか?」



「そうよ。あなたもいかが?」



「じゃあ一杯頂くかな」





ナマエはふたつのカップにルイボスティーを注ぎ、テーブルに持っていく。
向かい合わせで座り、カップを持ち上げ冷ますように息を吹きかけた。



「あの人から、ちょくちょく話は聞いていたが...
まさかもうここまでの関係に戻っていたとはな」



「今日はたまたま....いつもは直ぐに帰るわ」



「ああ....まだ前の男と切れてねえのか」



「何方かと言えば、前の男がシャンクスよ」



「フフ....あの人をそんな扱いできるのは今も昔もおまえだけだな」



「良いのか悪いのかわからないわね」




その後もしばらく思い出話に花を咲かせていると、
談笑する声で目を覚ましたのか寝室からシャンクスが起きてきた。




「ふぁあ...ようベックマン、来てたのか..」



ナマエの頬にキスを落とし、
キッチンに向かいコーヒーを淹れる。




「昨日言った資料を持って来たらナマエがいたんでな」



「すまんな、助かる。
ナマエ、ベックマンとなんの話したんだ?」



「さあね。あなた抜きのデートの日程立てたりとか?」



「おいおい、勘弁してくれよ。
いくらおまえでもやらねえぞ、ベックマン」



「そうだろうさ。
悪いがおれはこの後打ち合わせがあってな、失礼するぜ」


「そうなのね。会えて良かったわ。頑張って」



「ああおれもだ。...ああそうだ、デート いつがいいか決めておけよ」



「ふふ、わかったわ」



「じゃあな」






ベンを見送り、
じとっとナマエを見る
シャンクスの方を向き直す。





「なあに」



「デート、本当の話か?」



「冗談に決まってるでしょ。
近々また三人で飲もうって話になったのよ。
昔みたいに」



「そりゃ、いいな」



「でしょう?
...あ、いけない。もうこんな時間だわ。
シャンクス、タクシー呼んで貰える?」



「不本意だが、...仕方ねえ」



「ありがと。
シャワー借りるわ...ん、」


横をすり抜けようとしたナマエの腕を掴み、唇を塞ぎ、深くその口内を味わう。名残惜しむように、深く。



「っもう、....そんな顔しないで」



「そんな情け無い顔してたか?」



「ええ....とても王手会社の社長とは思えないほど」



「おまえの前だとただのイケてるオヤジさ」



「タクシーよろしくね?イケてるハンサムさん」





ちゅっと頬にキスをして、シャワールームに向かう。


ざあ、と聞こえてくる水の音。
口の中に残るルイボスティーの香りに、
少しだけ 胸が痛んだ。







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