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17









朝、シャンクスの隣で目が覚めた。
ナマエは急いで支度をしてサイレントにしていた携帯を開くと、そこには信じられない数の着信が来ていた。
もちろん相手はほとんどがエース。
LINEも無数入っていた。


《どこにいる?》
《何時になる?》
《どうした?大丈夫か?》
《迎えに行くから、電話しろよ》
《ナマエ、大丈夫か?》



自分の身を案じる内容ばかりで、ナマエは今頃になって罪悪感に襲われる。

そしてナミからもいくつかのLINEが。


《エースから電話きたけど、帰ってないんだって?》
《私とロビンとうちで女子会して、そのまま寝ちゃったって言っといたわよ。明日も一緒に行くって。
貸し1だからね。高いわよ!》
《起きたら私に電話しなさいよ!》



ナミの気の利いた行動に、
思わず ふう、と胸を撫で下ろす。
すぐにその番号にかける





『もしもし』


「私よ。ごめんなさい、助かったわ」


『本当よ!エース、ものすごく焦ってたのよ。
可哀想なくらい。
あんた、昨日彼といたんでしょう?なら、決めたってことよね』


「....そう、ね」



『とにかく、今日一緒に行かないと怪しまれるから会社の近くで待ち合わせしましょう』


「ええ、 わかったわ」


『じゃあ8時50分くらいにバラティエ前ね』


「ええ、本当にありがとう じゃあ。」







電話を切り、エースに謝りのLINEを入れておく。
すると、腕を引かれ柔らかいベッド倒される。
その逞しい胸に元通り。




「友達か?」



「ええ、死ぬほどエースから着信あったわ」


「だろうな。
だが、謝らないぞ」


「謝られても許さないわよ」




素肌のまま、ベッドの上で会話するなんて
昨日までのふたりには考えられなかった。
まるで長年付き合っている恋人のように自然で、美しい二人はとても絵になる。




「40分後に待ち合わせだから、もう支度をしないと」



「早いな、もっと居てくれよ」



「何言ってんのよ。社長のくせに。
しっかり仕事しなさい」



「、次はいつ会える?」



「..........まだ わからないわ」



「そうか、わかったらLINEでも電話でもくれよ」



「ええ、」





ナマエは軽くシャワーを浴び、
身体中に染み付いたベルガモットの匂いを流す。
化粧水や下着は昔のがそのまま置いてあったので、
それを使う。
手持ちの化粧品で化粧を施し、髪も置いてあったカーラーで軽く巻いて纏める。
そして置いてあったクリーニングされたスーツを着た。





「おれももう出るから、送る。
どこだ?」



「会社の近くのバラティエって料亭。
けど、もしかしたらエースが近くを通るかもしれないからいいわよ。タクシーで行くわ。ここから20分もかからないし」



「そうか。
これで足りるか?」


シャンクスは財布から一万円を二枚取り出し、ナマエに渡す。



「こんなにいらないわよ」



「そうか?じゃあ、迷惑料だ」



「...だったらこれじゃ足りないわ」



「はははは
そりゃ悪かった」









連絡待ってる、と念を押され、軽くされたキスでシャンクスの家を出た。
マンションの前に待機するタクシーに乗り込みバラティエに着けば、ナミの車が停まっていた。
助手席にはロビン。




「おはよう。
本当にありがとうね、助かったわ」



「さあ、なにもかも、話してちょうだいよ」



「私も、とっても気になるわ」



「.....ええ」





ナマエはナミとロビンに昨日会ったことの大体を話した。会社は目の前だから、少しの間駐車場で話した。





「そう、じゃあ、エースとはどうするの?」



「私、最低よね。
彼のことも大好きなのよ、離れたくないわ」


「本当、最低ね。
でも、シャンクス社長と寝ちゃった以上、
その関係を続けようと続けなかろうと
もうあなたはエースを裏切ったのよ」



「そう ね」



「しっかり考えなさい。
エースはもうきっと引くに引けないところまであんたに溺れてるわ。だから、もう遅いとは思うけど、傷は浅いに越したことはないわよ」



「ええ....」





タイミングがいいのか悪いのか、そこへエースのシルバーのセダンが入ってきた。
三人はまるで今着いたかのように談笑しながら車を降りる。




「ナマエ!!」



勿論のように、後ろから呼び止められる。



「あら、エース
あんたも今来たの?」


「ああ.....
昨日は悪ィな、ナマエを送ってくれてありがとう」


「高いわよ?
じゃあロビン、私達先行ってましょう」



「ええ、そうね。
じゃあナマエ、ランチで」



「ええ、あとでね」




ナミとロビンが去り、
ナマエとエースもホールにあるスタバに移動する。
あついコーヒーと、ロイヤルミルクティーを頼む。





「ごめんなさい、エース」


「連絡も取れねェ、何時になるかもわからねェ、しまいにゃ無断で外泊なんて....
しかもあんか話した後で。
おれがどんだけ心配したと思う?」


「...ごめんなさい」


「二度とごめんだぜ。
次は許せねェぞ」


「わかったわ。ありがとう」


「はぁ、よかった。
もう二度と会えねェのかと思った..」


「ふふ、ごめんなさい。
でも大袈裟よ」


「いやマジだよ。
しかもおれナマエいないと寝れねェや」


「今日は一緒よ」


「寝かせねェけどな」


「結局寝れないじゃない..」










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