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16













甲板に立てられたビーチパラソル


さらりと綺麗な白金の髪を一つに纏め、
濃い茶色のサングラスがよく似合う。


白いキャミソールからは谷間が綺麗に顔を覗かせ、
ショートパンツから伸びる長い脚は綺麗に組まれている。

コックに作らせた綺麗な色のカクテルを飲みながら
優雅に新聞を読んでいる美しい女 。








ここが海賊船だと、
これだけを見た誰が思おうか。










「ナマエ〜また昼間っから酒かー!」


シャチが干すのであろう洗濯物の山を抱えてやってきた



「夏の気候っていいわね、最高」


「次の島は夏島みたいだからなー、あと2.3日だろ、多分」


「楽しみ!荷物持ち、よろしくね?」


「げぇ!」







ナマエは新聞に挟まっている手配書に目をやる





「....あら、いい男」



その声に近くにいたペンギンが手配所を覗き込む



「火拳のエースか....」


「火拳ー?お前そーゆうのがタイプなのか?」


シャチも興味ありげに覗きに来る。






「あら、シャチもペンギンもかっこいいわよ?」


「ナマエ...からかうのはよしてくれ」


「こんなん見られたらまた船長が...」











「「海軍だー!!!」」




カンカンカンカンと甲高い音が鳴り響き、
わらわらと甲板にクルーが集まってくる。
誰かが船長室へと走ってローを呼びに行く。





《何隻だ!》


《5隻もいやがる!》


《面倒だなあ!》







「海軍か....おいナマエ、お前は部屋に..」



パラソルを見ると、
既にナマエの姿はなかった。



「あっ!せっ船長あれ!!」


クルーが指さす先には、
船から100メートルくらい離れた海面を歩くナマエ。






「ナマエ!!てめェなにやってんだ!!」


「大丈夫よロー!わたしがやるわ!」


「バカナマエ〜!なにやってんだよ!」


「船長!はやくナマエを...!」




ある程度海軍に近づくと、
ナマエは立ち止まり目を閉じた






「なんだあの女は!!」


「海面に立ってるぞ!!能力者か?!」


「砲撃用意!!!」




海軍がざわつき出し、
大急ぎで大砲に弾を詰める。



後ろでハートの海賊団が見守る中、
ナマエはブツブツと何かを唱えだした。



途端に海がざわつきだし、
海軍を挟むようにとてつもなく大きな津波がやってくる




「なっなんだあれは!!」


「馬鹿でかい津波が来るぞー!!!」


「ぎゃああああああああ!!!」






津波は大きな手の形になり、
ものすごいスピードで海軍の五隻の船に直撃した


あの立派な船は粉々に砕かれ、
すべて海に飲み込まれていった


波が穏やかに戻ったとき、
そこにはなに一つ残っていなかった...。




さっと踵を返して船に歩き出したナマエ。



「ただいま」


「「「 」」」



「おかえりくらい言ってよね」


ふう、とパラソルの椅子に座るナマエ




「な.....」


「なんだァいまのォ!!!」


「ナマエ!!お前すげェよ!!やべェよ!!」


「一瞬だぜ一瞬!!なんだその技ァ!!」



クルー達は興奮して大騒ぎ。


「これが...エルフの力か.....クク..面白ェ」


「ねえ、カクテルのおかわりちょうだーい」


「はいはいお姫様」


コックのバンが新しいカクテルを渡す。
それを受け取り一気に飲み干すナマエ。



「おいバン、あまり酒を与えるな」


「なんでよトラファルガー。働いたんだからいいじゃない」


「ハァ...」



あとモッツァレラチーズも!とバンに注文する。
こき使われているバンも、満更でも無さそうな顔で奉仕するのだからこの女の底知れない魅力に恐れさえ抱くロー。







「どこの姫様だ、あいつは」


「まあな、でもあんだけ美人なら甘やかしちゃうよな〜」


「ねえ、だれかマッサージできるひといないの?
腰が痛くって」



ちらり、とキャミソールをめくって綺麗に締まったくびれを見せれば、目を輝かせたシャチが立ち上がった。



「ハイハイハイハイ!!おれうまいぜ!」


「バカ...」



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