さ よ な ら
「で、話って何? 朝っぱらから」 「えっと、あの、私、あなたのことが―−-」 好きです。 私の声を遮るように響いた轟音。 視界は一瞬にして奪われた。 眩しい。熱い。焼けるように痛い。 ああ、そうか、私は死ぬのか。 その前に伝えたかったのに。 『貴方を一生お慕い致します』 私は一体、何かいけないことをしたのだろうか。 そうか。 これはひとりだけ逃げてしまおうとした、罰なのか。 彼を今日ここへ呼んだ罰なのか。 視界は開けることはない。 けれども、真っ黒になった彼が見えた気がしていた。 (いつかの8/6) 2012.08.07
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