センチメンタル少年


自分はおかしいのだろうか?

最近、俺は俺自身の心に疑問を抱く


至って普通に生活してきたつもりで
その証拠に健康そのものだ
2次成長期に入った
身長がまた緩やかに伸びている

俺の周りの世界も徐々に変化していく
”何も”知らない訳ではない




最近、よく女の子から声をかけられる
というか告白される

俺は全く知らないのに
俺の名前を知っている女の子が沢山いる


「タミヤくん好きです」

愛の告白を発する甲高い声に
漫画やドラマのような成り行きに
俺は恥ずかしくなる



ありがとう
嬉しいよ(一応…)
でも、ごめん



え??と驚愕する女の子の顔も
思わず泣いてしまう女の子の顔も
見飽きるくらい見てきたのに
やっぱりそのたびに重たい気分になる


ごめんな




周りの男友達からも不思議がられている

タミヤって本当つれねーな
あんな可愛い子から告白されて即答かよ

”誰か女いるのか?”

なんとも言えない微妙な気持ちになる


気になる人は居る
その…男が1人居る


「なぁゼラ」

「常川だ。なんだい、タミヤ君」


帰り道、隣を歩くゼラこと常川君に声をかける

俺より一回り小柄な彼は俺の顔を一切見ようとせず返事をした

せかせかと早足に歩く彼だが
そもそも俺とゼラでは歩幅が違うわけで
俺が同じスピードをだすと
あっという間に彼を引き離してしまい
拗ねてむくれてしまうので注意が必要だ
少し後を追うようにゆっくりと歩く


「なぁ、俺またその…女の子からさ、告白されたんだけどさ」

「なんだい、自慢かい?君は随分と自信家になったようだね」

細いフレームから
チラリと一瞥するようにゼラが俺を見た




2009/12/34/Web

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