あとがき

『棘と蓮』はこれで完結となります。
設定強めのこの話にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。

着想の段階では、その時期他所のサイト様で教員の夢主と学生実弥の素敵なお話を拝見したので、自分でも何かそんな感じのもの書きたいと思っただけでした。完全に阿呆の子の思い付きです。
そこから、学生の実弥と宇髄さんが教員の夢主に懐いて準備室に入り浸る緩い日常系の話にしようかと考えて挫折して(判断がはやい)、何だかんだ揉んでる内に今の形になりました。
宇髄さん好きなんだけど、あんなチャラいキャラして実は色々考えるタイプで友達と好きな子が被ったら「別に本気じゃねーし、仲良くなー」とか言って譲っちゃう人だと思ってるので(解釈違いスミマセン)、どうしても三角関係とかに乱入させられないです。

さて実弥の話であった。
絵描きの夢主と高校生実弥という枠がざっくり定まった辺りで、書きたいテーマとして、実弥がクソ親父さんを克服する話を考えました。『許せない相手のことを沸々と憎んでる時間はすごく勿体ない』みたいなアドバイス本とかよくあるし言われることもあると思うんですが、憎しみの最中にいる人からしたら『うっせーな綺麗事はいいんだよ』みたいな気分になりがちですよね。でもそれを越えて、恨みの気持ちを後生大事に握ってるのも馬鹿馬鹿しくなって、ぽいと捨ててやった時の心の軽さを書けたらいいなぁと思った次第です。

タイトルの『棘と蓮』は一通り書き終わってから付けました。
『棘』は序盤の実弥の態度の刺々しさとか、生きづらさとか、クソ親父さんへの恨みの気持ちを指します。
『蓮』は夢主のことなんですが、甘い匂い、穢れ知らず、みたいなイメージとは裏腹に泥の上に咲くというところから。あともちろん芥川先生の『蜘蛛の糸』は頭を過りました主題は全然違うけど。あとサカナクション好きなので最初タイトル『蓮の花』にしようかと思ったのですが、『棘』が要るな、と。

雑で不完全なところも多々ある作品ですが、読んでくださった誰かをほんのり優しい気持ちに出来たらいいなと思っています。
最後までお付き合いいただき、あとがきにまで目を通していただき、本当にありがとうございました。

しれっとお伝えしますと後日譚としてぽろぽろ書きたい小ネタを掲載予定です。
本編よりさらに頭軽めにお送りします。

それでは改めて、皆さま本当にありがとうございました。

2021.04.27


イメージソングを追記します。

春の歌/スピッツ
蓮の花/サカナクション
群青/YOASOBI

2021.05.17

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