別れたのに、こっちを見ないで下さい


「はっ…こいつ、輪姦されて喜んでいるぜ」

「こんな精液塗れで勃起しているなんて、どんなビッチだよ」

「公衆便所の価値もねえな」


数え切れないほどの男たちに貫かれて、朦朧とする意識の中、俺をあざける声だけは記憶の中にこびりついていた。






「夢か……」


毎夜見る夢でもう慣れきった俺は、そのまま重くなった体をシャワーを浴びて登校をした。

クラスに入ると、皆俺を嫌な物でも見たかのように目を背ける。当然だ。俺が何をしたか皆知っているからだ。大事な王子様を傷つけたのだからな。


「よっ、皆岸。今日も絶賛無視されているなあ」


この山中だけは面白がって声をかけてくるがな。新聞部の山中はスクープが大好きだ。俺が無視される事件を代替的に報道したのも山中だった。

だが俺は別に恨んではいない。


「王子様も無視していて、お前たちどんな別れ方したんだよ。お前だけ悪者になって可哀想だから、俺が擁護してやるから言ってみろよ」


山中がスクープしたのは、俺と王子こと『比留間』の泥沼離婚だ。いや、結婚していたわけじゃないけど、題名が王子泥沼離婚!だったからな。

俺が一方的に振ったのが気に食わなかったのが、比留間が物凄く抵抗した。抵抗して公然の面前で、ビッチが!と罵られ、そのまま王子一派に無視され続けている。実害はないので気にしていない。

比留間はこの学年でも主席で顔もイケメンすぎるほどイケメンだ。というわけであだ名が王子で、みんなのアイドルで、アイドルを裏切った俺はハブされると。

「王子、お前のことビッチって言っていたけど、お前浮気でもしたのか?」

「うん、そう。10人ぐらいとやりまくって、比留間にユルイって言われて、大喧嘩になったんだ」


もう面倒だからそんなふうに言った。


実際俺は……


比留間の親衛隊のやつらに、気に入らないからと体育倉庫に閉じ込められ、金で雇ったらしい汚らしい男たちのちんこを突っ込まれまくって、10人以上の男たちに輪姦された。

しかも一回だけではなく、10回以上だ。全部で50人以上の男たちにまわされただろう。

朝、昼、夕方、夜と時間なんて何時でも関係なく、突っ込まれ、出され、精液を飲まされ、俺の尻の穴は見るも無残な状態だった。

ビロビロに拡張され、誰が見たって処女じゃないと分かっただろう。


でも、そんなこと比留間には言えなかった。一回目で比留間に泣きつけば良かったかも知れない。お前の親衛隊のやつらのせいで輪姦されて、10人以上の男に汚されたって。


でも、言える訳がない。比留間は俺を大事にしていて、まだキスを数回だけだった。俺の初めての男になれるのを楽しみにしている、大事にしたいんだ、と、そういっている男に言えなかった。

結果馬鹿だといえば馬鹿だと思う。10人ですんだはずが50人にまわされた。余計言えなくなって、最後には別れて欲しいとお願いをした。


でも、理由も言えずに比留間が納得してくれるはずもない。

無理矢理俺を抱こうとして、気がついた。

俺の尻の穴が拡張されまくっていることに。


これが揉め事の発端だ。俺は何も言わずにただ別れてと言い、比留間は誰と浮気をしていたんだと騒ぎ、相手をいえ殺してやるとみんなの前で俺を絞め殺そうとし、俺が何も言わないとビッチと履き捨てて終わった。


「まあ、そんなジョークはおいておくとして……おーお、すげえ王子が俺を睨んでるう〜」


ジョークとしか思ってくれないか。まあ、そうかもな。俺は比留間以外と浮いた話一つなかったし。


「実際になあ、あれだけ王子がお前を大事にしていて囲っていて、一人になるときなんかは寝る時くらいだったろ。それだって、鍵に網膜照合までつけてさあ。浮気する暇なかっただろ。なのにビッチってどういうことなのよ」

その通りだ。比留間は俺が中学生の頃から俺のことが好きと言いだしていて、正式にお付き合いをしだしたのはここ2ヶ月前だったが、比留間に監視されていたのは最早4年にわたる。

4年間俺は常に比留間に見張られ、比留間がいないときは比留間が厳選した友人たちが一緒にいたし、要するに男たちに輪姦されたり弄ばれたりする暇も自由もなかった。

じゃあ、俺が50人に輪姦されてって何?と思うだろうが、実は俺のただの妄想だったりする。

つまり、そんな事実は一切ない。俺がそうだったら良いなあと思っただけのことだ。



俺は誰にも言ったりしていないが、実はマゾだ。それこそ小学生の時から、男に犯されてみたいと思っていた変態なのだ。

しかも俺はノーマルだったりする。ゲイではないが、男に汚されて屈辱的な目にあってみたい。何十人の男に輪姦されたい。汚いちんこを無理矢理しゃぶらされたり、尻の穴に突っ込まれたい。そんなことを考えていた変態小学生なのである。

そんな俺にとって比留間に惚れられたことは災難でしかなかった。

どうしてだって?

ハッテン場デビューとか、掲示板でトイレにいるので俺をおもちゃにして便器として使ってくださいとか、中学生になったらするのが夢だったのに、比留間が常に俺の側にいて監視するせいで、どうやっても無理だったのだ。

そのせいで高校生になった今でも俺は清い体だったりする。おかしいな、今頃は300人くらいの男とやっていたはずだったのに、いまだに処女なんて。

お陰で日ごろ妄想するくらいしか楽しむことはできない。比留間の押し切られ付き合うことになったのも、このまま比留間に付きまとわれたら俺一生処女じゃないか?と思い、せめて比留間とやって処女を捨てたいと思ったのと、比留間の親衛隊たちに輪姦みたいな素敵なことをされないかな、とちょっとした期待があったんだが、まあ無理だった。


だが中々比留間が俺とやろうとしないのと、比留間があまりにも俺のことを神聖視しすぎていて、俺のことを可愛い天使とか言っているのを見て、たぶん甘い砂糖みたいなセックスしかしないんだろうな、と思って別れたくなり別れようといった。

だって俺の夢の処女喪失って、汚い腹の大きなデブのおっさんにトイレとかで突っ込まれて、皆から精液とかかけられまくって、二輪挿とかまでされたらサイコーとか思っていたのにな。

比留間とじゃ乙女な処女喪失しかしないだろ。そんなの俺の夢じゃない。


まあ、そしたらしつこく比留間は理由をきいて、他の男でもいるのか?と疑心暗鬼に駆られ、俺を無理矢理抱こうとした。

そしたら、俺の尻が拡張されまくっているのを発見。そしてビッチ発言で今、無視されているという展開なのだ。

ああ、長かった。


え?処女なのになんで拡張されているって?

まあ、夜は自由になったから、中学生の頃からバイブとかディルトとか実家で買ったやつを寮に持ち込んで、日々拡張を楽しんでいたんだ。

俺の夢は二輪挿だからな。


ビッチと言われようと何でもいいが、別れたのなら俺はハッテン場とかサウナとかトイレデビューしたいんだが、いまだに比留間の監視が終わらない。別れたのに何でよ?


いっそ、俺のことをビッチと罵る比留間とその友人たちが怒って俺を輪姦してくれないかなあ。

それなら比留間とやっても良いのに。比留間は汚いおっさんじゃないけど、我慢するのになあ。


そう思って、何時ものように妄想しながら比留間を見て、微笑んだら、比留間が睨んできた。


あ〜あ、俺って卒業するまで処女なのかな?


END
溺愛系ストーカーツンデレ×ビッチ妄想処女でしたw
書いたことのない系の受けさんでしたが、管理人的には楽しくかけました〜


|

[しおりを挟む]
[Back]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -