「メリアージュ様」

「何だ?」

何時見ても俺の妻になった方は凛々しく、貴公子そのものに見える。その方が俺の奥様だとは信じられない思いで毎日過ごしている。

「その……遅くなって、順番も色々違いますが、メリアージュ様のご両親にご挨拶をさせていただけないかと……」

「しなくて良い」

「いえ、そんな訳にはいかないでしょう! こんな立派な方を妻に頂いてしまって……」

メリアージュ様のご家族のことは全く聞いた事がなかったが、これほど立派な方なのだ。それこそわが伯爵家に嫁入りをする方だとは思えない。きっと大貴族の出なんだと思う。
うちが零細貴族というわけではない。
貴族階級でいれば、公爵・辺境伯・侯爵・伯爵・子爵・男爵・騎士爵の順番であり、侯爵家までは数が少ないので、伯爵といえども卑下することはない。それに伯爵家は代々とても裕福な家柄であり、そこらの侯爵家よりも金持ちかもしれないのだ。

だからメリアージュ様に不自由はさせないとは思う。

ちなみに俺の両親には勿論紹介したが、もうメリアージュ様と両親は顔見知りだった。
そうだよね、だってメリアージュ様は俺の結婚を妨害して、両親にもう既に俺が嫁になる!と宣言していたって言うんだから。
両親はこんな家に嫁いでもらって申し訳ありません、わが一族総出で大事にいたしますと言っていたくらいだから、よほどメリアージュ様は高貴なおうちの出のはず……

「必要ないと言っているだろ!!!!」

「は、はい! 申し訳ありませんでした! 差し出がましい口を利いてしまって」

こ、怖い……


「はあ……」

「どうしたんだ? ロアルド、朝からため息ついて。そんなに副隊長(もう退職しました)が激しかったのか?」

「そう、昨日も凄くって……じゃなくって、メリアージュ様のご実家の問題とか、悩んでいて」

「まあ、大変そうだよな……あの一族と関わると」

「え? お前メリアージュ様の素性知っているのか?」

「知らないお前のほうがおかしいだろ? あの方はだなあ」

「ロアルド分隊長!!!! 大変です!!!! 将軍閣下がお呼びです!!!」

何? しょ、将軍閣下??

この国には6つの部隊がある。それを統率するのは、6人の隊長であり、普段はこれだけで回っている。
しかしその6人を統率するのが、将軍なのだ。この将軍は、隊長まで勤めた方が引退した後、名誉職としてつく職であり、はっきり言って戦争がない今、特に仕事はない。

仕事はないから仕事をしていない。だから会うこともない。

けど、俺だってその方がどなたか位は分かっている。

「第六部隊文隊長ロアルドです」

「……何故、呼ばれたか分かっているか?」

「は、はい? 申し訳ございませんっ……心当たりがありません」

通常部隊の責任者は隊長だ。何かあれば隊長が処理をするし、将軍が出てくることは有り得ない。軍での用があれば隊長が命令することだ。

「私は誰だ?」

「将軍閣下であり、わが国の公爵閣下で」

「私のメリアージュを奪っていって、一言の侘びもなしか!!! 貴様はっ!」

わ、私のメリアージュ??
え? 公爵閣下がメリアージュ様の婚約者だったとか?
いや、有り得ないだろう。余りにも年が違うし、公爵は妻子がいるはずだ。第一部隊のアンリ隊長が確か長子なはずだ。

「あ、あの申し訳ございません!」

何が悪いか分からないまま取り合えず謝罪をする。訳が分からないがメリアージュ様は公爵閣下にとって大事な方だったのだろう。

「可愛い私の弟メリアージュを、貴様ごとき下等な分際が妻にするなど! 土下座をして、公爵家の可愛い可愛い大事なメリアージュを妻に下さいと這いつくばって言いに来れば、1%くらいは考えてやったかもしれないのに、たかが伯爵家の分際で公爵家に結婚の申し込みにもこれないのか!?」

ひっ……め、メリアージュ様あああああ……だからあいさつに行きましょうって言ったのに!
大貴族の出だと思ってはいたけど、まさかまさか公爵の弟だったなんて……そんな方がうちにお嫁になんてありえないでしょう!

でも、メリアージュ様が公爵令息なんて知らなかったんです! なんて、言い訳できない。きっと誰でも知っていたんだろう。アーロンも知っている様子だった。この貴族社会で伯爵家の跡取りが奥様の実家を知りませんでした、じゃ、すまないだろう……

「本当に失礼な事をして申し訳ありませんっ!」

「メリアージュは貴様と結婚するために、父上に勘当され、公爵家から絶縁され、系譜から削除され、それでも貴様と結婚したことは後悔しないと、家出をしたんだぞ! メリアージュにすまないと思わないのか!」

メリアージュ様……俺なんかと結婚するために、高貴な身分を捨てたのか……
だって公爵家の令息だぞ。メリアージュ様の言うように、いくらでも婿に来て欲しいと言う話はあっただろうし、婿になんて行かなくてもあまりあまっている領地を貰って、公爵家の一員として暮らせただろうに。
嫁ぐのなら、王妃になってなれただろう。いや、この公爵家が嫁に出すのなら、そのくらいの地位が約束されてないと出さないだろう。

しかもこの様子だと家族に溺愛されていて、反対を押し切って俺と結婚したんだ……なのに、俺はメリアージュ様が何を犠牲にしたかも知らず、メリアージュ様怖い……なんて思っていたなんて。
結婚の挨拶に行かない理由を言わなかったのも、俺が気にしないようにって思いやりで言わないようにしていたのだろう。

「メリアージュ様には本当に申し訳なく思っています……兄君に挨拶も行かなかった卑小な身に言い訳もできません」

「そうか、ならメリアージュと離婚をするな?」

「え?……」

今まで兄君である公爵閣下しかいなかったのに、公爵閣下に良く似た、そして迫力ある方が現れた。

「私はメリアージュの父だ」

ということは前公爵っ! メリアージュ様のお父様!

「ご挨拶が送れて申し訳ございませんっ! 伯爵家の長子ロアルドと申します!」

「貴様のことなど、どうでも良い! メリアージュと離婚してくれるな? あれに申し訳ないと思っているのなら、あれが失った物をすべて返してやってくれるだろう?」

離婚……メリアージュ様と?

「しかし、離婚などできませんが」

「方法などいくらでもあるっ! わが公爵家に不可能などなにもない!」

離婚は、本来なら国王陛下でも強要できないし、離婚自体できないシステムになっている。
しかし、確かにこの公爵家だったらいくらでも抜け穴があるだろう。できないことなど何もないと言われている、数多の独自魔法を持つ一族なのだから。

「メリアージュ様と離婚をする気はありませんっ!」

「なにっ!?」

「確かに、メリアージュ様は俺のせいでいろんな物を失ったかもしれませんっ……しかし、それでも良いと、俺なんかの元に嫁いで来てくれたんです……それほどの覚悟で嫁いで来て下さったのに、その思いを裏切る事なんかできませんっ!」

俺はメリアージュ様に殴られる。ベッドでは拘束され、メリアージュ様の言いなりだ。怖いと泣きそうになった事も何度もある。けれど、メリアージュ様の愛の裏返しなのだ。

「貴様!!!! 貴様に私の気持ちが分かるか!!??? メリアージュは、メリアージュはっ! 結婚して30年以上して儲けた最後の子どもなんだぞ!! 妻はわたしのことをずっと嫌っていて、30年経ってようやく私を受け入れてくれて、そして授かった子なんだ! まさかこの年になって出来るとは思ってもいなかったが、それはもう可愛がって育てた子だというのに! 毎晩貴様などに陵辱されているかと思うと、涙がちょちょ切れて来るわ!!!!(´;ω;`)」

「そんな! 陵辱などしていません!」

「なら優しく抱いているとでも言い訳するのか!? この下郎が! 嫌がるメリアージュを押さえつけ犯しているのだろう!」

「俺はメリアージュ様を抱いた事などっ……いえ、なんでも」

こんなに愛して可愛がっている息子の性生活なんか言えないよな。だって前公爵泣いているから。

「なに! まだ貴様はメリアージュを抱いていないのか?! なら、離婚も簡単にっ」

「いいえ、抱いてはいませんがっ……いえ、してはいるんです! けど、俺がしているんじゃなくてメリアージュ様が乗ってくるというか」

このまましていないと思われたら、よし離婚だと言われてしまう。

「貴様はっ! 私の可愛いメリアージュに、ま、まさか騎乗位で奉仕をさせているのか!!!!」

「……申し訳ございません」

「父上……もう、抹殺するのが一番です」

「そうだな……殺しても飽きたらん!(´;ω;`)」

「可愛いメリアージュにそんな無体な真似をさせるなんて(´;ω;`) 逆行魔法で跡形もなく消し去りましょうか?」

「いやっ! メリアージュを散々弄んでおいて、そんな簡単に消すなんて許せん!!! こやつの性器の破壊と再生を永遠に繰り返すのだっ!」

「そして、逆行魔法で性器だけ赤ん坊レベルにしてメリアージュの元へ帰してやろう! メリアージュも愛想を尽かして帰ってくるでしょう!」

こ、怖い! おれ、俺の股間が……っ
この公爵親子にかかったら、もう風前の灯になってしまう。

「止めて下さいっ! 父上、兄上」

「「「メリアージュ!」」様」

「人の夫に何をしようとしているんですか?……もう勘当したのだから父でも兄でもないはずです。俺の夫に手出しをしないで下さい」

格好良い! 颯爽と転移魔法で現れたメリアージュ様は、俺を守るように立ちはだかった。
あとで聞いた話なのだがメリアージュ様のご容姿は、何代目かの公爵がどこかの国から浚ってきた将軍であり花嫁である方にとても良く似ているらしい。歴代の花嫁の中でも最も凛々しく、美しい方だったと聞いたが。

「好きで勘当したわけじゃないんだもん! だって、だってそうすればメリアージュが戻ってきてくれると思ったんだもん!」

「そうだ! メリアージュ、こんなに愛している兄や父を置いて、あの男のほうを取るのか!!」

本当にメリアージュ様はご家族に愛されているんだな……もう、公爵親子号泣じゃないか……本当に夫がこんな小物で申し訳ありません!

「父上……父上だって、母上を誘拐してきて母国に帰してあげなかったでしょうに……母上の両親はどれほど悲しんだことか」

前公爵、ここ最近では余りなかった誘拐花嫁と結婚していたのか……そんなのよくありすぎて話の話題にもあがらないし。

「私は妻の事を愛しているから良いんだ!」

「それなら俺だってロアルドを愛している!! 父上や兄上や母上を裏切っても、公爵家の名前も惜しくない! ロアルド以外は何も要らない!」

「酷いっ……なんて酷い息子だ! メリアージュだけが私とリージェルの愛の結晶だというのに!」

「知りません」

「あ、あのっ!」

妻が夫を庇って夫が沈黙しているなんて……有り得ないよな?
俺の性器を駄目にしようとした方々だけど、メリアージュ様のご家族だ。俺が矢面に立たなくてどうするんだ!

「大事な大事なご子息を、こんな俺なんかの妻にしてしまって本当に申し訳なく思っております! あいさつにすらいかない礼儀知らずで、お許しいただけないのは重々承知しています! けれど!……メリアージュ様は勿体無くも俺を愛しているとおっしゃってくれています。俺もその気持ちにこたえて、メリアージュ様と生涯をともにしたいと思っております……俺に出来る限り大事にしたいと思っています。絶対に不自由はさせませんっ! どうか、メリアージュ様を俺に下さい!」

「駄目だ駄目駄目だ!!!!!!! メリアージュが妻になるのだったら最高の男ではなくてはならん!」

「そうだ、そうだ! 法律を変えてでも、メリアージュはアンリの妻にさせようとでも思っていたのに……そうすれば一生家から出て行かなくて済むから(´;ω;`)」

「何と言われても、もう俺とロアルドは夫婦です。これ以上ロアルドに危害を加えようとするのなら、離婚させようと企むのなら、俺のほうからも縁を切ります。もう一生兄とも父とも思いません」

「め、メリアージュ様! 俺なんかのためにご家族と縁を切ってはっ」

「お前の事は俺が守ってやるといっただろう」

なんて格好良いんだ。こんな方が本当に俺の妻で良いんだろうか?

「メリアージュ許してくれ!!! お父様のことを嫌わないでくれ(´;ω;`)!!!! 絶縁もなかった事にするからあああ」

「良いんです……絶縁してくれていたほうが俺たちのためです。ロアルドには公爵家の婿は重い、もう関わらないで下さい。行くぞ、ロアルド」

メリアージュ様は俺を腕に抱いて、転移して自宅に戻った。

「メリアージュ様……」

自宅の城は広大だ。両親はメリアージュ様と結婚する前から領地の城のほうに住まいを移しており、もうメリアージュ様が主人になっている。金には不自由していないから、調度品だって誰を招待しても恥ずかしくない物だと思っている。
けれど、これらがメリアージュ様に相応しいだろうか自信はない。

「よろしかったのですか?……お父上とあんな……」

「良いんだ……巻き込んで悪かったな」

「そんな! 俺だって当事者ですよ」

「俺が勝手にお前と結婚したんだ。俺から申し込んだ結婚だ、俺が責任を取るのは当然だろう? 俺の家のことは何も気にしなくても良い!」

「……メリアージュ様」

メリアージュ様だって本当は両親と決別なんてしたくなかったはずだ。メリアージュ様が選んだ男がもっと……でもきっとどんな男選んできても公爵は許さないんだろうなとも思う。第一部隊隊長のアンリ様と結婚させようと目論むほどだ。アンリ様くらいの男じゃないと駄目なら、結局こうなってしまったのだろうとも思わないでもない。

「メリアージュ様、切欠はどうであれ、俺はもう貴方の夫です! 隠し事はして欲しくないし、何でも言ってほしいんです。年下で頼りにならないかもしれないけれど……貴方を大事にしたいんです!」

メリアージュ様は黙っていた。黙って俺を見て、俺を抱きしめて、押し倒してきた。

「俺にはお前だけいれば良い……」

上手に俺の衣服を脱がして、何時ものように上に乗ってくださるメリアージュ様……
こんなときくらい俺に主導権をくれてもいいんじゃないんですか?

俺一度も奥さんの服を脱がせた事ないですよ? 俺から奥様にキスをしたこともないし、俺から触れさせてくれたこともないんですけど!……

自分よりも強くて高貴で格好良い奥様を娶ってしまった代償が、一生自分から抱けないというものなのでしょうか?

何時か奥様を抱ける日が来るのでしょうか?

怖くて無理かもしれません……

おまけ

「うわああああメリアージュに嫌われた。・゜・(/Д`)・゜・。アンリがメリアージュと結婚しなかったから、あんな男に持っていかれてしまったのだ!」

「私も伯父と結婚はちょっと……」

「どうせ結婚したい相手いないじゃないか!!! メリアージュ(´ω`。)」

「そんなにメリアージュに戻ってもらいたいんだったら、夫との結婚を認めて、たまには里帰りをしてくれとお願いするべきでしょう」

「いやだああああ、あんな男と結婚認めたくない ( ノω-、) 」

「邪魔しに行ってやる!!!」

おまけ
「そ、その……メリアージュ様は第一部隊アンリ隊長の婚約者だったのでしょうか?」

公爵親子が、アンリと結婚させようと思っていたのに、と叫んでいたので部隊は違うが上司になられるアンリ様も同じように私のメリアージュがああ!!! と行って来られたら恐怖と思って、念のため聞くことにした。

あれほど兄と父に可愛がられていたのだから、甥にあたられるアンリ隊長も同じく年下の伯父であるメリアージュ様を溺愛しているのかもしれない。

「いや、あんなものは勝手に兄上や父上や義兄上が言っていただけだ。そもそも甥と結婚っておかしいだろう?」

確かに、従兄弟からじゃないと結婚は許可されていないですしね。

「俺は、父上や母上がかなり高齢の時に生まれたからな……もし俺が成人する前に死んでしまったらと心配した父上が、兄上に第二の父になれ! って言ったそうでな……まあ30歳以上離れているし、兄上も父のような気分だったんだろう。兄の妻も同じように可愛がってくれてな……俺には二組両親がいるような感じなんだ」

「それで、2組のご両親がメリアージュ様を外に出したくなくてアンリ様とご結婚を計画したという訳ですか?」

「母上はそんな訳の分からない事はやめなさいって言って反対していたが、他の3人が乗り気で、これでアンリまでその気だったら、流石に身動きが取れなかっただろうが、アンリには全くその気がなくて助かった。アンリは……年上の甥なんだが、少ししか離れていないから兄弟のように育ってお互い結婚なんてとんでもないとしか思っていない」

ならアンリ様にいびられる事はないのか?

「アンリは俺の見方をしてくれている。心配しなくて良い……」


って、本当に奥様に守られている俺って、一体……

「父さんや母さんはメリアージュ様が俺のことを好きだと知っていたんだろ? よく結婚を許可したよな?」

領地の城に引退している両親を訪ねて一人でやってきていた。メリアージュ様は自分が俺をどう守ってくれているのか、全く話してくれないから、俺も自分で調べるしかない。

「なら反対に聞くが、ロアルド、あの方がお前なんかを好きといっていただき、結婚したい、いずれプロポーズするつもりだから見合いの話はこれ以上持ってきてくれるな。結婚を許してくれと、懇願されたら断われるとでも思うか?」

思わない……

「だけど、あの公爵家を敵にまわすことになるんだぞ。兄君や父君の怖いことといったらなかった……」

「公爵や前公爵は確かに怖いだろう……メリアージュ様をわが家に向いいれれば確かに敵に回ることになる。我が家など一瞬で消されるだろう」

うん。

「だが、もし、メリアージュ様をわが家の息子などと結婚できませんと断わって、それがばれてみろ!! 可愛いメリアージュ様を泣かした不届き者の家は! 貴様の息子を殺してやる! 貴様などがメリアージュ様の心を傷つけて良いわけないだろう! ……と、こうなるのが目に見ているような気がしてな……」

「た、確かに……断わったら断ったで怖い……」

公爵家の大事なメリアージュ様を振ったなんてことになったら……

「その点、メリアージュ様と結婚して公爵家を怒らしたとしても、メリアージュ様が何とかしてくれるだろう。あの方がいれば、伯爵家が潰されることはない。そんなことはあの方が絶対に許さないだろうからね……お前は愛されているよ」

大事にしなさいとは言われなかったが、愛されているという言葉から、そういわれている様な気がした。

俺だってちゃんと大事にしてさしあげたいと思っている。

けど、俺が大事にするよりも、大事にされてしまっているんですけど……

大事にさせてくれない場合はどうしたら良いのでしょうか?

何をしてさし上げたらメリアージュ様は喜んでくださるんでしょう?

聞いてみれば良いかもしれないけど……男らしく、お前がいてくれれば良いんだ、ってサラって言われちゃいそうだ。

だいたい、俺って奥様の腕の中で目が覚めるんだよな。普通は逆だろう?
奥様が俺を抱きしめて眠って、奥様の胸の中で目が覚めるのって……たまには反対をさせてくれれば夫の威厳が出てくるような気がするんだろうけど。

でもエッチさせて下さいというのもおかしいよな……だって、しているのはしているんだから。全部あの方が主導権握って俺は手も動けしちゃいけないんだけど……

メリアージュ様、俺はメリアージュ様のことを大切にしたいと思っております。だからメリアージュ様も、俺をもう少し夫らしく扱って(エッチの主導権渡して)いただけないですかね?……と頼むのは、あんなに俺のことを思っていろいろしてくださる方に対して失礼なんでしょうか?……(´・ω・`)




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