誰が一番美人な奥様?

「っていう投票を第一〜第六部隊でやっているんだって。勿論僕の奥様グレイシアが一番だよね」

「いや、俺の妻のフェレシアだろう。あのはかなげの美しさは誰にも勝てない!」

「リーセットの奥さんはもう除隊しているから投票できないだろ? しかも公正をきするために自分の奥さんには投票できないんだってさ……つまらないな」

「ええ?? 僕だってデニス奥様にしか投票したくありませんよ。こんなつまらない投票なんか必須にしないで欲しいですよね」


自分の妻に投票できないと分かると途端にどうでも良くなる夫たち……

どうでも良く適当に投票してしまった面々。結果は……第一部隊分隊長たちに集計が回ってきました。

「美人なNO,1はクライス副隊長か……まあ、納得だよな……怖いけど」

「まあ、僕達の副隊長が取ったのでこれはこれで良かったんじゃないですか?」

「綺麗だけど、奥さんにしたら怖いそうなんだけどね……僕のグレイ奥様みたいにきっと優しくないよ」

「いや、でもユーリ隊長には無茶苦茶惚れているから、膝枕してあげたりキスしてあげている姿みちゃった人いるらしいぞ」

「そうじゃなかったら3人も作らないよな。俺たちみたいな階級は大抵二人産んだら終わりっていうのが多いのに」

たいていの名家は二人兄弟が多い。一人だとよほど子どもができにくかったんだろうと推測され、二人だと義務を果たしたと思われるのだ。両親二人から子ども二人は、魔力の多い人口を減らさないための最低必須人数だ。国に貢献するというレベルでも二人は産んでおくべきと、推奨される。
奥さんを愛している夫たちは二人産んだらこれ以上子どもに奥さんを取られたくないと3人目を産ませないようにする夫が多い。
3人目以降がいる夫婦は大抵奥さんの勢力が強いと推測される。

「格好いい旦那さんにしたいNO,1はユーリ隊長か……やっぱりそうだよね。名家の跡取りで魔力が国で最も高くて、奥さんに優しくって非の打ち所がない人だからね」

「まあ、ユーリ隊長なら負けてもしょうがないだろう」

「男から見ても格好良いからな」

「でも、同じ兄弟の隊長はランクインしていないですよね」

「……隊長は結婚したくない旦那NO,1にランクインしている」

「なんで惨い……」

「理由……変態そうだから。精力が無限大そう……格好悪い、ヘタレ、パンツ仮面一号?、命中させすぎるから……これらは皆第一部隊の奴らが投票しただろう。内緒にしているのにこんな理由を書いて…どうするんだ、他の部隊にばれたら」

「まあまあ、隊長がランクインしちゃったから、この旦那にしたくないは非公開にしましょう」

「あ、イアン旦那にしたいに3位にランクインしているぞ……なになに、チョロそう、操縦しやすそう。何でも言う事聞いてくれてそう」

「鬼嫁はダントツエルウィンがNO,1だな。しかしこれも削除されている……良妻にはグレイシアがランクインか」

「それは当然だね! 僕の素敵な奥様グレイよりも良い奥様なんているわけない! グレイはね、朝起きるとご飯つくってくれていて、僕に服を着せてくれて、時には髭も剃ってくれて、言ってらっしゃいのキスもしてくれるの! エッチの時もね、気持ち良くしてくれるし」

「……」

「………」

「…………」

↑みんな、奥さんマグロばかりなのでちょっと羨ましい。

「妖精になりそうなランク……第五部隊副隊長か。これってグレイシアの兄じゃなかったか?」

この世界で妖精とは30過ぎても童貞である人を指す言葉。別に侮蔑ではない。30歳を過ぎても純潔を守っている尊敬を込めて(笑)

「グレイのお兄さんだよな。29歳でまだ母上に似た人じゃないと結婚したくないって言っているから、当分結婚できなさそうなんだよね。グレイのおうちってちょっと変わっているんだよね。僕もお母さんにあわせてもらわなかったし、どうやら軟禁生活30年なんだって」

「だから、第五部隊副隊長も変わっているのか。あそこの部下たちが凄い心配していたんだぞ。結婚しそうにないから、私たちが副隊長の花嫁を見つけてあげなければ!!!(キリ)って……花嫁候補を連れてきては興味ももたれないで消沈していたな」

「隊長も最近、妖精にチャレンジしそうな勢いだよな。一応子持ちだっていうのに……」

一同沈黙。隊長にはそれなりの敬意を持っているので、悲しみは絶えない。

「昼は良妻、夜は淫乱妻になりそうなの……こんな裏ランキングまで……」

「流石に夜の想像までは難しいけど、そんなにイアンは良妻良妻っていうんだったら、グレイシアはさぞや夜は淫乱妻なんだろうな?」

「え?……別にそういう訳でも……グレイは喘ぐっていうよりも、僕のほうが奥さんに気持ち良くしてもらって」

「お前の喘ぐ声が聞こえてくるもんな、グレイは床上手なのか……」

ますます羨ましいと思うマグロ奥様を持つ旦那様たち。

「もう除隊しているけど、第三部隊のロベルトの妻のマリウスが夜は凄いらしいって自慢していたって聞いた」

「あ、僕も聞きました。あんな美人で薄幸そうな人が夜は淫乱に早変わりなんて、ロベルト分隊長良い奥さん貰ったんですね」

「まあ……マリウスは寝取るくらいだから夜も相当凄いんだろう」

分隊長の奥様たちはみんな無理矢理結婚して人たちなので、夜はいい加減な対応しかしていません。

「あとは今後投票項目に加えて欲しいランキング要望リストか……ち○こでかいと思うNO,1……」

「じゃあ、隊長だな」

「隊長パイパンで見た時相当でかかったもんな」

「あれでエルに嫌われているんだろう。一発命中で性能は良いはずなのに……可哀想に隊長…」

「命中はいいかもしれないですけど、相当早いらしいですよ。エルと新婚旅行を見張っていた人によると、隊長一発目は入れる前に発射しちゃって2発目は入れたら瞬殺、3発目三こすり、4発目でやっとそれなりに持つらしいですから……」

「もう言うな! そんなことを言ってはいけない! 国王になられる方が瞬殺とかっ……」

夫は大きさとか速さとかに物凄く敏感だったりする。


そして奥様たちも集計されています。

「やっぱりユーリ隊長が理想の旦那一位か。分かるな……スマートで理知的で奥さんを大事にして、外聞も申し分ない男だからな。それに比べてうちのは」

「ユーリ隊長だったら絶対にパイパン! なんて叫んだりしないですよね……」

「それを言ったらユーリ隊長はパンツ仮面なんかしないだろう?」

「24時間耐久レースとか朝ご飯や夕ご飯でも合体しながら食べるなんてしないだろう……」

「全裸で行き倒れたりしない……」

この奥様たち比べる自分の対象が悪すぎることに気がついているのだろうか。普通の夫はそんな事はしない。

「俺たちの夫は常識がないからな……あんな常識のある夫だったらどんなに良かった事か」

それはかなわない夢である。

ちなみにみんなの憧れユーリ隊長は常識はあるが理性はない。理性がふっとんでいることに気がつきながら、自制しようとも思わない男である。
常識はあっても良識はない。



「大きそうな男……うちの旦那もでかいぞ」

「あーうちも……でかいだけで能無しだけどな」

「俺のも可愛い顔してでかいんだよな。っていうか可愛いのは顔だけで、毛が全身凄いし……マッチョだし、可愛い詐欺だ」

「イアン意外にごつくて、毛深いからな。しょちゅう全裸になっていたから、丸見えだったけど確かにでかかった」

「エリオットなんかもしゅちゅう射精しているくせに、何時までもでかいし。あいつの性能どうなっているんだ?」

「ジブリールも綺麗な顔しているけど、でかいし……イアンとまでいかないけど、ボーボーだぞ……」

「なんかこんなランキング必要ないだろう? 悲しくなってくるだけなのに」

「少しはいいところないのか? 俺たちの夫……」

「無理矢理探してみるか……魔力が高いところ?」

「顔は良いところ?」

「稼ぎは良いところ?」

「……俺たちを愛しているところ?」

無理矢理奥様たちは自分の夫たちの良い所を羅列してみた。

それだけ聞けばとても良い男のような気がするから不思議である。実態は変態ストーカーだったり全裸だったりパンツ仮面だったりと、良さを全て台無しにする夫たちなのでいくら良いところを探そうとしても無駄である。

「クライス副隊長が羨ましいよな」

「あんな素敵な夫を捕まえて……」

そんな理想の夫を捕まえれたはずのクライス副隊長は……


「クライス様、クライス様が一番美人の奥様で、ユーリ隊長が理想の夫ナンバーワンだそうです! 分隊長たちからも受賞のお祝いの言葉がたくさんきていますよ」

「……本当に、俺の夫が理想の旦那だと思うのか?」

「……まあ、3人目妊娠中も色々やりたい放題でしたからね……何かされちゃいました?」

「……(言えない……何年も平気で隊長を放置し続けていられるエルに、もう何も言いたくない)」

「本当に妊娠中のクライス様って理想の夫婦ですよね。素敵な旦那様と美しい妻に愛らしい子ども達って……分隊長たち皆羨ましがっていましたよ」

「確かに……分隊長の夫たちは皆変態か鬼畜か近親相姦とか、もう色々ありえない夫たちだけど……じゃあ、ユーリのほうがマシかと言われると……あそこまで陰険で性格悪くて、外面だけがよくってやりたい放題の夫って……いないよな。最近隊長が一番マシな夫に見えてきたんだが」

「それは目の錯覚というやつですよ。交換しようって言われたらしたいですか?」

家でユーリが帰ってくるのを見て……パンツ被っていない、パイパンと叫ばない、どこでもかしこでもやらない……変態じゃない。そんな夫は珍しいのだろうか、やはり他所の変態もち妻に比べたら俺はマシなのだろうかとぐるぐるし……最早人生で何度目になるか分からない、変態VSゲスのどちらがマシかという自問自答を繰り返して終わった。





- 146 -
  back  






×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -