「舜一を殺せば、恭ちゃんは俺だけのものになるんだから、死ね!」
「お前こそ死ね!」
本当に修羅場になっていました。
食堂にある、皿を投げつけて、ナイフというのは食器のナイフなのか。あれならどうやっても舜一を殺せるわけはないだろう。
しかし周りの生徒は目を輝かせて騒ぎを見ている。
っていうか、なんで食堂でやりあってんの?何があったんだ?
「止めろ!」
玲人は馬鹿か。舜一相手にいくら凶器持っていたって勝てるわけないだろ。お前は特にひ弱なんだから。
簡単に玲人を蹴飛ばして、殴ろうとしていた舜一を羽交い絞めにして制止した。
「馬鹿!お前が玲人を殴ったら、簡単に死ぬぞアイツ!」
「殺そうと思って殴るんだよ!襲ってきたのは玲人のほうだぞ?!」
「分かっているけど、ちょっとは力の差を考えろよ!」
「恭ちゃんそのまま舜一を抑えていて!殺してやるから」
大人しく転がっていればいいのに、俺と舜一が言い争っている間に、再びナイフを持って、舜一に襲い掛かろうとしている。
「ちょっと待て?な?ここで舜一を殺したって俺は手に入らないぞ?お前は刑務所に行くことになるし、俺はお前を軽蔑して、二度と抱かないぞ?それでも良いのか?」
あとで思ったが俺は玲人との関係をカミングアウトしてしまったことを気がついたが、そんなことをとやかく言っている場合じゃないだろう。
「恭ちゃん……」
「ほら、渡せ…な?」
「恭ちゃん、俺のこと舜一よりも好き?」
ああ……YESって言えば良いのか?でもそれはそれで、あとで舜一が何するかわかんないし。好きって言えばこいつは満足なのか?
「玲人のほうが、可愛い……ほら、寄越せ」
もう皆の前だろうが知るか。引き寄せてキスをしてやる。その間にナイフを取り上げた。
「恭ちゃん…大好き」
「分かったから、ほら行くぞ……後の始末は副会長と副委員長よろしくな」
取りあげたナイフを渡して、舜一と玲人を連れて部屋に戻った。それにしてもこの食堂の残骸は凄いな。どれだけ暴れまわったんだこの2人は。
*たぶん受けのなかではもっともヤンデレな玲人とヘタレキングな舜一