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ずっと三人でいたしな。三人でいれば、出し抜かれるとか心配しなくて安心なのか?
別に俺は片方だけ捨てるつもりはないんだが、どちらも余計な心配をして思いつめているようだし、どうしたら俺のこの公平な心境を分かって貰えるんだろうか。

俺としては基本的には、昔みたいなただの幼馴染兼友人に戻りたいんだが、そういう選択肢は俺も何度も検討したし提案もしてみたが、あいつらが嫌がるので、駄目だった。

玲人は捨てられたら自殺するとか言った事もあったし、舜一はどうするのか。自殺はしないだろうけど、自傷行為するのか?そういう性格でもないけど。

玲人ならナイフとか握って、別れるなら死んでやるとかやりかねない。舜一はしないよなあ。精神的にも舜一のほうが安定しているし。

こうなると問題は玲人なのか?


こんなに俺は俺自身を犠牲にして、あいつらに尽くしてやっているのに、いい加減にして欲しいという想いが一杯だった。

今日はどちらの日でもなかったのでフリーなので、身体を休めよう。正直言って、性欲がついていかない。もともと淡白なほうだったし、舜一と玲人相手に週4のペースは吐きそうなくらいだと思っている。

そもそも好きでもない男を相手にしているんだから、辟易しても当然だと思う。


風呂に入りながら、そんなことを思っていると、携帯が鳴り響いているのが聞こえた。

風呂から出たら出ようと無視していると、着信が止まらない。留守電になっても、すぐ次の電話がかかってきていて、そんなに急ぎか?と思い、ズボンとTシャツに着替えて、着信履歴を見ると、副会長・副会長・副委員長・副委員長・書記とか、生徒会と風紀からずらりと着信が残っている。

そうかと思っているうちに、ドンドンと思いっきりドアが叩かれ、インターフォンの連打だった。


「おい、なんだよ」

「なんだととか言ってる場合か!会計が、ナイフ持って、委員長とやりあっているんだぞ!」

「……は?」

玲人がナイフを持って、舜一を殺そうとしている?

「……舜一が止めるだろ?玲人は弱いし、そんな慌てるようなことか?」

あの2人が戦ったところで結果は目に見えているぞ?玲人は弱いし、舜一は強いし怪我一つしないだろ。

こんな着信ばんばん入れることか?

「それが委員長も頭に血が上っているのか、お互い殺してやるって、収拾がつかない状態なんだよ……食堂で」

「おい……」

食堂でか?
そこら辺の廊下とか、どっちかの部屋でやってくれるならいいけど、食堂とかって……

「お前を巡って三角関係って、大騒ぎだぞ?皆きゃあきゃあ騒いで、酷いもんだぜ?止められるのは会長様しかいないと思うけど」

ホモの三角関係って、悲しすぎる。

大体あいつら風紀委員長と会計だろ?そんな2人が俺(会長)を巡ってとか、なってんのか?

せめて人がいないところでやってくれ。



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