『アウトレイジ』
※理解できなかった点などはネット情報に頼りきってます。単語等も大体しか理解してませんので、以下の情報はあまり信用なさらず。間違いがあっても阿呆やなとスルーして戴けると助かります。
※以下ネタバレ含みます。
◆アウトレイジ(花菱会のメンツはなし)
あらすじ:関東山王会の傘下にある大友組は弱小暴力団のチンピラ風情。普段はしょうもない抗争の後始末など請け負って生活をしている。兄弟の仁義だの何だのの建前を傘にきて、直接手出しが出来ない者をこっそり闇討ちするのが主な仕事である。
後輩である警察の片岡と組んだりしつつ上手くやっているように思えたが、大友組は山王会から破門される。裏切った金庫番の石原と、片岡に逮捕してもらい刑務所行きとなった大友を除き、全員殺されてしまう。刑務所で安堵していた大友の脇腹を、かつて大友に顔を切りつけられた木村が刺す。
山王会のほうでは会長以下邪魔者を、首尾よく消した加藤が次の会長にのしあがるのであった。
◆アウトレイジビヨンド
あらすじ:関東山王会の会長を殺害して会長の座に上り詰めた加藤。山王会大友組の面々を裏切った金庫番の石原と、会長のボディーガードであった舟木を脇に従え関東一の暴力団になった。
一方、関西花菱会では死んだと思われていた大友が、かつては憎み合っていた木村を引き連れ、組に入れて貰うために頭を下げる。はずだったが、急に難色を示して「帰ろう」という。
花菱会の若頭・西野は勝手に来といて帰るとは何事やと言い、意思を汲み取った若頭補佐・中田はわざとらしい脅しにかけることで大友を引き止める。木村が指を食いちぎったことによりメンツも守られ、花菱会は優勢に立ち、下っ端として大友と木村を使い関東山王会を滅多ぎりにしていくのだが――。
☆登場人物
◆関西・花菱会(はなびしかい)
◎布施(ふせ)
会長。極道の組長として一般的に想像するそのものの見かけだが、飄々としている。表向きは抱き込んでいる山王会を、先代の会長時代から潰したくてたまらない。
◎西野一雄(にしのかずお)
若頭。愛想よく下手にまわることもあるが、会長に楯突く人間は容赦なく切る男。主なやり取りは西野を通してでないと会長にまでたどり着かないため、山王会の加藤は苛立ちを見せる。
◎中田勝久(なかたかつひさ)
若頭補佐。基本が脚を組んで座っているだけで威圧してくる。冒頭で既に木村と兄弟の盃を交わしたというくらい幅広く使える駒を手元に置いている。
◎城(じょう)
組員。ヒットマン。関東山王会の人間を西野や中田の部下を従え黙々と闇討ちにする。1のヤクザ者と違い女には手を出さなかったが、基本関西の狙撃手全員が容赦ない。
◆関東・山王会(さんのうかい)
◎加藤(かとう)
現会長。金庫番の石原を初めとする若い人間を実力主義により次々と出世させ、周囲の反発を買う。前会長を闇討ちにしたことで後に危うい橋をわたることになる。
◎石原(いしはら)
元大友組の金庫番。大友以下全員を裏切る形で、現山王会の若頭。金にがめついメガネ。
◎白山と五味(しろやま ごみ)
幹部。花菱に駆け込んだ富田と兄弟の盃を交わしていたが、あっさり裏切った。花菱の西野に助けを求め加藤を引退に追い込む。後に事実上花菱傘下となったが、山王会会長と若頭に就任。
◆旧大友組(山王会傘下)
◎大友(おおとも)
死んだと思われていた。舎弟は全員死亡。復讐にはあまり乗り気ではなく、関東対関西の抗争にも興味はないが、かつて自分が顔を切りつけた木村に強く望まれ、関西花菱会側について関東山王会・現会長の首を取ることを決意する。
◆旧村瀬組
◎木村(きむら)
大友を刑務所で刺して以降は出所して堅気になっていたが、片岡のすすめで大友に頭を下げ、一緒に花菱会側について加藤を失脚させてくれるよう頼む。
◎嶋と小野(しまとおの)
二人とも村瀬組員の息子。木村の元で働いていた。大友を守り損ね、早まって加藤を撃ちにいくが舟木に殺される。
◆警視庁
◎片岡(かたおか)
マル暴。大友の後輩。私利私欲で警察と極道の間をいったり来たりしている。
注)片岡は石原の舎弟を暗殺し、これを花菱のせいにした。花菱は舟木を暗殺、それを山王会側には石原の裏切りだと伝えた。花菱が石原を処分後に、山王会と木村組が手打ちとなった(西野から白山&五味への指示)。会長を引退した加藤を大友が暗殺。片岡が加藤の元部下を使い木村を抹殺。これを公には大友のせいとなるように仕向け、大友自身には花菱のせいだと偽る。そしてエンディング。
◎繁田(しげた)
ビヨンド冒頭で片岡の部下が極道側に処分されたため、下についた。前人者や片岡と違い、刑事としての誇りを失わない真面目な男。
☆花菱会創作キャラ(名前が木札にあった人間)
◎清水健一(しみずけんいち)
布施会長付き秘書。元医者。幹部止まりでうまく使われてるが、布施の昔馴染みであるため、上役である若頭補佐六名より会長や若頭に口聞きしやすい立場。
◎飯島忠史(いいじまただし)
年功序列の花菱では比較的若手だが若中上席。西野は仲介や取持の仕事が多いため、何かと重宝されている。賭博の元締めに飼われていたが、花菱に移った。
◎要寿雄(かなめひさお)
小心者の元チンピラ。若中末席。ボクシング経験者で自分の痛みには強いが、血を見るのは苦手なゆとり極道。現場では使い者にならないためときどき飛ばされる。
※中田が「道具貸せ!」といった後の「はい……」があまりにもビクッとしていたので創作。
☆893用語他特殊な読み方
※方言ガン無視でそれっぽいのを端から使ってます。ご注意ください。
*花菱(はなびし)
*会長(かいちょう)→総長。
*若頭(わかがしら)→No.2。読みは、かしら。わかがし。わかとう等。
*若頭補佐(わかがしらほさ)→かしらの手助けをする人。
*幹部(かんぶ)→活動の中心になる人。
*若中(わかちゅう)→その下。
*若衆(わかしゅう)→盃をもらった子分のこと。親分より年上の場合でもこう呼ばれる。
*盃(さかずき)→親分から子分にしてやると与えられたり、兄弟の契りを結んだりする。
*己(おどれ)→自分。おのれが訛る。
*おどれ→または「お前」。オノレ。
*カッパ→刑務所内でのホモの男役の意。尻子玉を抜くことから。
*アンコ→女役の意。アンコウは悪食で何でも飲み込んでしまうため。
*拳銃(けんじゅう)→関西ではチャカ、関東ではハジキという。警察用語ではチャカ統一っぽい。
*手錠(ワッパ)→鉄製や革製でできた拘束具。
*道具(どうぐ)→抗争に使用する武器。
*下戸(げこ)→酒の飲めない人。
*泣き上戸(なきじょうご)→酒を飲むと泣く人。
*虚仮威し(こけおどし)→見かけ倒し。
*穀潰し(ごくつぶし)→食べてるだけで定職にも就かず遊びほうけて何の役にも立たぬこと。
*盆暗(ぼんくら)→ぼんやりしてて目利きの聞かぬこと。チンピラそのものを表す場合もある。
*頭(ず)→ずが高い。
*ヒョウソ→ひょう疽。爪に雑菌が入り壊疽すること。先を切る。
*侠客(きょうかく)→任侠(にんきょう)。強気をくじき弱気を助けの精神。男気。
*侠気(きょうき)→義侠心(ぎきょうしん)。
*漢(おとこ)→男気。男の中の男。
*箔(はく)→値打ち。箔がつく、は値打ちが高くなるの意。
*三下(さんした)→下っ端。
*居る(おる)→いる。方言は平仮名だと読みにくいため漢字表記にすることがあります。
*買うた(こうた)→買った。同上。
*いなげな→おかしな。愛媛の方言だが極道用語としても浸透。
*三国人(さんごくじん)→本来は第三国人というと当事国以外の国の人間を示す言葉。統治下に置かれていた国の人々を表す侮蔑的な隠語。
*野良をつく(のらをつく)→やくざになること。広島弁。
*唄う(うたう)→自白。
*もます→トラブル。衝突を起こすこと。
*ケツを掻く(かく)→そそのかす。
*突破者(とっぱもん)→息巻いた直情型の人間をさす言葉。
*自切り(じぎり)→体を張って服役したり、自傷すること。ジキリ。
*しご→始末する。やっつける。
*流石(さすが)→予想にかなって感服する表現。
*面子(めんつ)→体面。例・面子を気にする。
*メンツ→人間の顔。例・メンツを揃える。
*面(つら)→顔。面構え(つらがまえ)。
*丸暴(まるぼう)→俗に〇暴やマル暴と記される暴力団に潜入する捜査官。警察官のこと。
*身繕い(みづくろい)→着替え。極道は見た目にものすごくうるさい。
*海老鯛(えびたい)→海老で鯛を釣るの意。
*ネンゴロ→懇ろ(ねんごろ)。親密。
*猿轡(さるぐつわ)→声を立てないよう布などを噛ませること。
*喩え(たとえ)→たとえられた事柄や事象。
*喧しい(やかましい)→うるさい。
*破門(はもん)→門下からはじくこと。
*握り金玉(にぎりきんたま)→手持ちぶさたで金玉を握るくらいしかしてないこと。
*狸囃子(たぬきばやし)→狸の音楽隊。腹太鼓(はらだいこ)。
*剥けぬチンコの皮算用(むけぬちんこのかわざんよう)→とらぬ狸の皮算用の言い換え。
*殴り込み(なぐりこみ)→縄張り争い。抗争(こうそう)。間違い(まちがい)。出入り(でいり)。「喧嘩などしてません。間違ったり出はいりしたり殴りにいっただけですよ」という極道の建前用語。
*斬り込み(きりこみ)→上と違って、首をとるための殺傷目的。
*ケツをかく→そそのかす。
*ヒンガモ→利用しやすい相手。カモのこと。
*二分八(にぶはち)→五分、五厘下り、四分六、三七、二分八で下にいくほど相手との格差が強くなる。
*島(しま)→縄張り。
*舎弟(しゃてい)→弟分。
*手打ち(てうち)→和解。
*仲裁人(ちゅうさいにん)→手打ちの際に仲を取り持つ人間。仲介人。
*とる→捕る、トる、殺る。殺すこと。広島弁。
*えげつない→いやらしい。下品であくどい。
*凭れ(もたれ)→三下ヤクザ。チンピラ。ボンクラ。
*外様(とざま)→ここでは個人が団体に途中から参加することを指す。
*あんじょう→うまく。都合よく。按配(あんばい)よく。「味よく」が訛ったもののようだが、現代では死語に近い。近畿だけでなく広い地域で使用される。
*ヌードスタジオ→今もあるのか定かでないが性風俗の一種らしい。ヌードモデルの写真を撮ることができる。
*おちょくる→からかう。
*カスリ→上前(うわまえ)。
*朋友(ぽんゆう)→親しい友人。中国語。
*吐いた唾は呑めない→一度言ったことは撤回できない。
*ほる→関西弁で捨てる。
*暖簾兄弟(のれんきょうだい)→同じ親分から盃を貰った義兄弟のこと。
*木偶の坊(でくのぼう)→役に立たない人。気の利かない人を罵る言葉。
*モッソウ飯→物相。刑務所の食器。転じてくさい飯のこと。
*カチコミ→殺傷なしのガラス割り。脅しに使われたが近年は捕まりやすくなり殆どやらない。
*荷が勝つ→荷が重いこと。
*土瀝石(どれきせき)→アスファルト。
*閨(ねや)→寝室。閨事。夫婦の寝室。
*触らぬ女将&お上(おかみ)に爛れ(ただれ)なし→障らぬ神に祟りなしの言い換え。
*踊る阿呆に見る阿呆→同じ阿呆なら踊りゃな損損、と続く阿波おどりの文句。
*寄せ場(よせば)→刑務所。
*府中(ふちゅう)→備後府中。広島。
*目がない→悪口のひとつ。
*塒(ねぐら)→人の寝るところ。極道用語ではヤサ。刀を鞘に納めることからの逆読み。
*直訴(じきそ)→一定の手続きを踏まずに上に直接訴え出ること。
*芋引く(いもびく)→おじけづく。
*地回り→元はならず者の意味だが、近年では取り立て屋を表す。
*マワす→強姦。
*真珠入り→ちんこに真珠という極道特有のよくわからないオプション。
*井守(いもり)→両生類。井戸の害虫など食べてくれる。嫌がられる。
*守宮(やもり)→爬虫類。陸上に住む。家守とも書き、家に住む。見た目は井守にも蜥蜴(とかげ)にも似ている。むやみに殺してはいけない。
*博徒(ばくと)→博打うち。
*盆(ぼん)→賭博のこと。
*盆屋(ぼんや)→賭場そのもののこと。
*盆茣蓙(ぼんござ)→博打を打つ際に使う敷物。胡座。
*場(ば)→博打をする場所のこと。
*ふとい→立派な。えらい。
*無職渡世(ぶしょくとせい)→博徒の世渡り。
*渡世人(とせいにん)→博打うち。やくざ。
*回状(かいじょう)→極道社会で出回るチラシのこと。誰それを破門したなど情報が回る。
*仲介人(ちゅうかいにん)→仲裁者。手打ちの際に間を取り持つ人間。大物の役割。
*取持人(とりもちにん)→跡目相続の盃を取り持つ人間。
*媒酌人(ばいしゃくにん)→上を補佐する役割。
*見届人(みとどけにん)→一家の長老がすることが多い。式を見届ける役割。
*立合人(たちあいにん)→見届人より格下の人間が相当。役割は変わらないと思われる。
*此方(こちら)、彼処(あそこ)、其の(その)、此のまま(このまま)、如く(ごとく)。
*首魁(しゅかい)→首謀者。
*ローゼンジ(ロズンジ)→英語でひし形。菱は菱形の菱だろうなという妄想。
*ロザンジュ→フランス語でひし形。フルールは花。
*禄(ろく)→武士や官吏(かんり)などに支給される給金。禄を食む(ろくをはむ)で給与をもらい生活する、仕官するの意。
*地名→伊丹(いたみ)。空港がある。住之江(すみのえ)。競輪場がある。心斎橋(しんさいばし)。オフィス街と化している。十三(じゅうそう)江坂(えさか)。梅田からほど近い住宅地。
*御老公(ごろうこう)
*御家老(ごかろう)→江戸時代に大名を助けて藩政を仕切る最高役職。
*篝火(かがりび)→夜半に照らす灯り。
*手水舎(ちょうずしゃ)→柄杓(ひしゃく)が置いてある神社の一画。水飲み場ではない。
*耄碌(もうろく)→老いぼれること。
*躑躅(つつじ)→さつきより小さめ。見た目はそっくりの花。
*菅原道真(すがわらのみちざね)→虚偽告訴を受けて大宰府(だざいふ)に飛ばされ現地で没すが、天変地異が起きたことでそれを諌めるため各地に祠(ほこら)が建てられた。これが天神信仰の始まり。
*東風(こち)吹かば〜→菅原道真が京を去る前に詠んだ一句。主人のいない春だが梅よ忘れず香れよと詠っている(たぶん)。梅が飛んできたという逸話などあり。
*年金→893は自営業なのでおそらくもらえません(自営業というのも語弊があるが冗談だと通じていればそれでいい)。
*猿公(えてこう)→商家での朝の忌み言葉を表す猿(「去る」に通じるから)を避けてエテと呼ぶ。ここでは親しみを込めた悪口のひとつ。
*伽藍(がらん)→僧侶の集う清浄な場所の意。日本では本堂等。
*タガロク語→フィリピンの言語のひとつ。極道社会ではよく使われる。
*企業舎弟→某作家の造語という自供があるが定かでない。