シテール島への船出
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「子供を寝つかせるにはアンゲロプロスを見せろ」とまで揶揄されるギリシャ監督作品。なんか見たことある気もするけど、高尚な映画特有のデジャビュだと思います。難解さ以上に忍耐が試される。頭と目が痛くなってくる退屈さ。でもいちいち絵になる。特に序盤から中盤辺りは絵画が動いているような錯覚に陥ります。
映画に何を求めるかで見方は変わってくる気がしますが、純文学が文学文学してるのと同じく、純映画が映画映画してるといった感じの作品。求めていない気分のときに選んでしまうと腹の立つ退屈さなんですが、「こういう映画が見たい!」と思った場合には、絶対的に代わりのものがない。今年はたまたまTSUTAYAで手に取り、朝までかかって内容を把握しようとしたんですが「うん。明日から黙って娯楽映画見とく」となりました。主役のおじいさんがガッツリ好みだったので後悔はない。
五年か十年に一度くらい「意味不明でいいから数時間だけ外国情緒が味わえればそれでいい」という気分になりませんか? その目的意識には間違いなくヒットします。頭で理解するんじゃなく身を委ねる。やっと終わるのかと思ったら絶対終わらないのよ……。年末に一人で過ごさなくちゃならない、となったら本作品をお供にどうぞ。
※追記:特典映像の『テオ、自作を語る』はすごくわかりやすいメッセージ映像でした。最初からこう言ってくれよな……! と思ったんですが、たぶん長々と見たあとだからこその感慨。
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